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手を回す腕の働きは、
肘、肩の2か所にあります。

肘について、
骨と関節の働きから考えてみました。


その前に、気をつけたい大切なお知らせ。


あまりある部分だけに着目していると、
全体のつながりを損なうことがあります。

なんと実は、しばらくこれを書きながら考えていたら、
肘の回るところを考え過ぎて、
なんだかそこだけ、少し痛くなってしまいました。

もっと全体を思いだしてよ~という身体の声!
そうでした、動きを感じようとしていると、
どうも無駄な力が入ってしまうのです。


「木を見て森を見ず」ですね。   
部分だけ使うということはなく、
身体はつながって働くことを思い出します。
そうするとやっぱり、痛みは無くなりました。




<肘>肘 elbow
上腕骨が、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)につながる肘関節。

曲げ伸ばしと、回る動きをしています。
尺骨曲げ伸ばし橈骨回る動きをしています。


以下少し細かく、肘の回るしくみを、
肘を曲げた状態でみていきます。


肘の左右の、脇に出た骨の突起を触って、手を回して動かしてみると、ここは回らないです。
これは上腕骨(上腕骨外側顆と内側顆)です。


尺骨は、小指側の骨。

手首の小指側の突起は尺骨で、
骨をたどって行くと、小指側から肘側に向かって太くなり、肘頭に当たります。

上腕骨尺骨が深く接して、曲げ伸ばしの動きがあります。



橈骨は、親指側の骨。

橈骨は、手首側が太く、
上腕骨と接する面は、尺骨よりも浅く小さいです。

曲げた肘の、尺骨の肘頭の出っ張りを手のひらで包んで、
手を回すと、くるくる動くのが感じられるところが橈骨頭。


肘は面白い構造で、
橈骨尺骨の接する部分に、
車軸のような関節がついていて、ここで回っています。

くるくる動くところを触って、肘から回すとき、
手が一緒に動いています。


手のひらが上向きの時、橈骨尺骨の2本の骨は並んでいます。
手のひらを下向きに返すと尺骨を軸に、
橈骨尺骨の上に交差していきます


肘からの動きで、手のひらを上向きから、親指側を内側へ回すのは、回内
その反対に下向きから、親指側を外側へ回すのは、回外です。

手のひらを、パタパタ上下に返す動き。
ドアノブを回す、ページをめくる、鍵を回す動きなどです。


手は橈骨と回って尺骨に支えられています
尺骨が、上腕骨と身体とのつながりを支えます。


一見回っているかのような手首の動きは、
手のひらの手根骨との多様な動きなのです。

回らない手首・尺骨が無理をするときに、
痛くなるかもしれません。

手を回すつもりで、
無意識に肩から腕全体を回していて、
肘を使っていないこともあるかもしれません。


肘の動画です
https://youtu.be/KPei75SkHFY



<肩>
肩甲骨上腕骨の肩甲上腕関節。

ここから内回し(内旋)、外回し(外旋)します。
肘からの回内・回外と混同しやすい。


腕を伸ばして、腕全体を回していくと、肩甲骨・鎖骨も動いています。
(腕を動かしながら触ってみましょう)


肘や手首のつながりが、指や腕の動きと共に働きます

肘と肩は、楽器を扱う手の動きにさまざまに対応して働いています。

回内・回外によって、手と指先の向きが変えられます。

親指は回り込んだり、角度を調節することが得意です。
これらはつかむ・つまむ拇指対向性*による働きもあります。
(*過去記事:親指の動きのヒント1 に簡単な記載があります)





チェロは、左手はビブラートの、
肘からのなめらかな動きがあります。

薬指や小指を使う時に弱いと感じていたら
尺骨から肘と腕のつながりも助けになります。

右手はボーイングで、指と弓へのバランスを助け、
弓を扱う角度を付け、身体とつながりながら
弓を弦にフィットさせます。ピッチカートも同様に。



頭が動けることで、
腕全体と身体のつながりによって、
手を動かし、
エネルギーを伝え、
音を奏でる~♪




最後に木つながりで、素敵な絵本のご紹介です。
「チェロの木」作:伊勢英子・偕成社
チェロの木
森の木を育てていた祖父、楽器職人の父、そして音楽にめざめる少年。おおきな季節のめぐりの中でつらなっていくいのちの詩。
http://www.kaiseisha.co.jp/books.html?page=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=6393
 


最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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