つながり
江利子さんのワークショップにて。あるゲームをしました。
2人組で、向かい合った二人の手のひらと手のひらの間に、
1m程の細い棒の端と端を突っ張りあい、バランスを取ります。
どちらかがりードして、押したり引いたり、
相手はその動きに合わせて、ついていくゲームです。
お互いの表情や様子を測りながら、
ちょっとした腕の変化から、
いろいろな身体の動きについていきました。
途中で、リード役を交換。
これも上手くいきました。
それから両手で、左右両手で2本の棒になりました。
動きは複雑になってきます。
今度はどちらともなくリードする。しばらく上手くいっていましたが、
私の手がちょっと浮いて、棒を落としてしまいました。
私は思わず「失敗しちゃった!」と口から出ていました。
その時の失敗への反応に、
まさにKenさんから学んだばかりでしたので、
「おっとそうだった、これは全然たいしたことでもないし、可笑しいの!」
すぐ気付いて「落としてもOK!」と思えました。
そしてその後は、また、しばらく目をつむってやってみたり、
ゲームを楽しみました。
後で感想を話し合いました。
落とすことに何のペナルティもなかったのに、
「上手くやり続けることに意味がある」
という癖がしみついているなあ・・・
と、私は思いました。
「失敗した時、笑顔になってくれたので、とってもホッとした。」
とパートナーは言ってくれました。
パートナーも自分のせいで失敗したと思っていたのが、
その時になって分かりました。
「向かい合うことにちょっと苦手で緊張していたけれど、
失敗してもパッと笑顔になってくれたので、その後は安心して信頼でき、楽しめました。」
そうか、はにかんでいらしたように見えたのは、
実は緊張していたのですね。
<つながりのゲーム>でした。
このようなことから、
TEDのスピーチを思いだしました。(*参照)
ちょっとストレスになることがあるとき、
初対面だったり、上手くやらなくちゃと思っている時。
心臓がドキドキするホルモンが出ます。(a)
いつもより脳に血液をたくさん送って、
身体に活力を与えてチャレンジに備えてくれています。(a:アドレナリン)
まずこのことを知っていると、
呼吸が速くなって、汗がでる、不安、そんなストレスを感じている時に、
これは体が助けてくれているのだ、
と思うことができます。
同時に、このようなストレスで心臓にかかるダメージを回復させるホルモンも出ます。(b)
それは、相手に思いやりやつながりを求め、
心にも働きかける働きがあります。
<抱擁するホルモン>とも呼ばれているそうです。(b:オキシトシン)
オキシトシンは心臓と心にも働きかけ、
ストレスがあった時に、
人との共感や優しさが感じられると、
さらにその働きを強める。
この2つのホルモンは同時に働いて、
ストレスを乗り越える強さを与えてくれる。
身体にはストレスに対応する仕組みがあることを知っていることで、
ストレスを感じても身体がサポートしている反応だからなのだ、
という信頼と自信が生まれて、
心臓のダメージが弱まり、
勇気や喜びを感じるときのような状態に、
近付くのだというのです。
身体についての思考を変えることで
身体の反応を変えることができる。
ストレスと、上手く付き合うことができる。
どのように考えどのように対応するかで、
ストレスの経験を変えられる。
緊張や失敗、つらい気持を、自分や周りの人たちが感じているとき。
まずその痛みを受け止めて、そして助けを求め、
ともにいてその痛みを共感し、思いやること。
そのストレスから思いやることが回復力を作り、
周りの人を助け、自らも助ける。
人間のからだが、そんな仕組みを持っているなんて、
驚きで、なんて素晴らしいことでしょう。
痛みを受け止め、共感すること。
自分のために、誰かのためにも、
笑顔になれて、思いやること。
「一緒にいる」
「自分にも、他人にも優しくする」
キャシー先生の教えにもつながるかなと思いました。
もうすぐアレクサンダー・テクニーク教師資格を取られる江利子さん。
(後日加筆:めでたく資格を取り教師となられました!おめでとうございます♪)
今回ワークショップのテーマは、「自分に優しい選択」でした。
自分への失敗やストレスに対する受け止め方。
自分に優しくすることは、
他の人にとっても優しいあり方へつながっていることを感じました。
素敵な気付きを頂きました。
どうもありがとうございました。
*TEDの素晴らしいスピーチを、どうぞご覧ください
「ストレスと友達になる方法」
心理学者ケリー・マクゴニガル
http://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend?language=ja
最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
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