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2014年10月

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前記事[自然に~1]に続きます。


ヴィヴィアン先生の言葉を思い出し、考えています。


y:
先生がクラスで話されていたメモ。

カザルス氏は、全くビブラートをかけないということも良くやっていた。

彼の表現はベルカント唱法的なものでなく、
ただ話す、というようなスタイルが表現に入っていた。

彼のチェロが話し、時々つぶやいた。
音のレンジがものすごく多様だった。

コントロールは選択できる。
他のことと格闘しないで、選んだことをやる。

1つ1つの音をやればいいだけ。
今の音から生まれてくるもの。

「今しかない」
次来ることに対して、今できることはない。

今にいることをする。


「カザルス物語」「カザルスとの対話」という本など、
チェロにあこがれていた高校生の頃に読んでいました。

そんな記憶もどこか深くにあったようにも思います。


    ******

≪「自然に演奏してください」パブロ=カザルスの教えとアレクサンダーワークの共鳴 (2011年第1刷発行)≫から授業とのつながりで興味深いところを引用してみました。


本文は対話方式です。

 『』はカサルス氏のことば VM「」はヴィヴィアン・マッキー先生
 JAはジョー=アームストロング氏

 y:私の補足ガイド・コメントです。
特にキーワードになりそうなところを太字にしてみました。

         
y:ヴィヴィアン先生は、ハイドンのD-durから学んでいます

VM
コンチェルト第二主題はじめのフレーズにあるグルペット(ターン)ではすべてに装飾音があります。
グルペットは本来そういうものでアクセントを持って始まります。

長い音の中に小さな音がある時は常にアクセントを伴わなければならないと教わりました。

そのための運動を見ていくと、そこで何か斬新なすごく大きなエネルギーがいるとわかりました。

はじめてそのように演奏した時は、まったく違った感じでした。
やっている最中に、まるで木槌で木の実を割るような感じでした。

しかし、何が起きたか、すぐにその結果が出ます。
小さい音をものすごく元気よく弾くと、その音はくっきり際立ちます。

そうすると装飾音がうっとりするほど美しくなります。
そうしたことを体験しました。


1回の弓でなるべくたくさんのクレッシェンドとディミニュエンドをやるように学んでいきます。

単純に平らな長音など音楽には存在しない、とカサルス氏は言われました。

音楽の音は必ず行くか来るかどちらかになります

単にまっすぐな長い音だけが存在する場所はありません。 
人間の耳は、こういう単調な音についていかないし引きつけられません。

一方で、さまざまなクレッシェンドとディミニュエンドを学んでいけば、様々な弓使いを学んでいることになります。
やっているとだんだん無数のニュアンスがほしくなります。本物の音楽にはそれがあります。


・・・1つずつすべてが美しいのです。
曲の断片を演奏しようとしていたときの出来事を話します。

三つの音にじっくり時間をかけて、すべての輪郭が完璧に象られ、完璧に色彩が彩られるように観察して、クレッシェンド(だんだん強くなる)とディミニュエンド(だんだん弱くなる)も同じようにやっていきました。

ある特別なものか、別ものかになりますが、1つの音がダメだと全部ダメになります。

なぜなら、すべての音が1つづつこちらへやってくるか、あるいは向こうへ行ってしまうかのどちらかになるからです。

とても特別なカサルス流の演奏として、この行ったり来たりが私の心に残っています。

単なるアップビートやダウンビートを超えて、特殊な別次元があります。
音楽はただ鳴っているというよりも、遠くへ行ったり我々に近づいてきたりできるからです。

そこが得心できれば、私の表現で言うところの「ペース」が出来上がってきます。
テンポとは別のものです。

・・・小さな断片を光に当て賞賛して美しさを知るということをやっていた・・・。

・・・その結果として色彩や陰影、生地までもが見えてくるのです。
きつくするところ、ゆるくするところ、展開するところなどいろいろあります。

しっかり時間を取って実験してから、それを全部実際あるがままに返してやるのです。

・・・自分に何が必要でなにができるのか、どう働きかけるのか、そのときになれば、やることはおのずから表れます。


JA
何に焦点を当てているのかわからないことは一切やらない。

なんとなくそのまま続けると、実際は変えていかなければならなく箇所が温存され、それではむしろ悪い癖が助長されるから、そのまま続けるのを<やらない>、それがカサルス氏の練習方法でしたか? 


VM
はい、おっしゃるとおりです。

VM
主に「今ここに」あるためにワークする、するとまた次のワークがやってくるという具合でした。
1度に1つずつだったのです。
人生がそうであるように。

「現在起こっていることはこれです。次に起こることはあれです。と思ったらいかがでしょうか。


VM
非常に少ないカサルス語録のなかに『必要なことだけやればよろしい』というのがあります。
「それは賢いアイディアだ」と思いました。

時々必要なことはずっとずっと向こうに、自分がやったこともないくらい遠くにありました。
必要がある、だから私はやらなければいけない 、と。

しかし大抵の場合は以前やり過ぎていたことを減らしていく作業だったようです。


何事も、こうやらなければいけない、というのはありませんでした。

実に、完全に「結果にあわてていかない人(not-endgainer )」に生まれ変わっていました。

それまでの学びをしてきた以上そうならざるを得ませんでした。手段に忠実であることを学びました。

十分な注意を払って適切な手段を用いれば、結果にあらわれ、ほしいものは必ず手に入ると、F・Mアレクサンダー氏も述べています。

何かを計画して成し遂げるならば、十分に注意を払い、全体として上手くいくようにするのです。

自分の欲しいものがあるなら、手に入れる方法をあらかじめ知っておく必要があります。

何を演奏したかを自分の耳で実際に聞けるようにし、再学習していかなければなりませんでした。

こうなるはずだという思いが強すぎると、その思いに覆われたままになって、実際に自分の演奏している音を聞かないという勘違いがしごく簡単に発生します。


まず計画しなければなりません。
その後に実行します。
良かったか、良くなかったかわかります。
計画が十分によければ、当然結果は良くなるに違いありません。

必要なことをやるには大変な努力が要ることもあり、しばしば以前のやり方以上にやらなければならないことも起きると分かりました。

やることがずっとたくさんありました。

あるいは一方で、必要なことだけをやるにあたり、やっていることをずっとずっと減らす場合もありました。


       ******


y:
生徒さんと会話していて、
ときどき面白いことがあります。

レッスンで生徒さんに
「演奏する時に、ずっといちいちこれを考えるのですか?」
と聞かれることがあります。

例えばボーイングでは、
発音する瞬間や、弓を返す時の意識などです。

初めての時はえっ?!と思いましたが、
何回か聞かれて、そうかなるほど思いました。

いつかできるようになったら、
考えの中に含まれて、必要になったとき、考え続ける労力は減っていくけれど、
できることが増えるってことは、
考えられることが増えていくってことなのではないかしら。


扱えるようになる考え。
そのときそのとき、「必要なことをする」考え。

全自動で、いつのまにか弾けるようになったらいいなと思うでしょうけれど・・・(笑)

やることは自分の中にあることと、取り入れた考えですね。
また一方で、必要かどうか考えることは、
とても大切だなとも思いました。

楽しむこと、興味を持つことが上達の秘訣だそうです。

1つ1つ何をしたらいいか、
必要なことをを丁寧に、
楽しんで考えていきましょう!


「自然に 3」へ続きます。


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ヴィヴィアン先生の御本、
≪「自然に演奏してください」
パブロ=カザルスの教えとアレクサンダーワークの共鳴 
(2011年第1刷発行)≫


生徒さんにお貸ししていたのが戻ってきました。
少し難しいというご感想でした。
そのとうりと思います。

それでも、そこにあらわされた内容を想像するに、どんなことを表しているのか興味は尽きません。



カザルス氏から学び、チェロ奏者でありアレクサンダーテクニーク教師として、その人生を語っています。

先生の探求の旅路とは、どんなものなのでしょう。


先生の序文の言葉によれば、「海外留学して磨きをかける」くらいのつもりが、プラードにたどり着いたときから長く険しい道のりが始まります。それまで学んだことと全く正反対の学びでした。

その後の長い年月にわたる音楽家・教師の経験によって、全体がいかに複雑かを知ることになったそうです。


序文は<本質は全体として体験されており、プラードの町にいたころからすでにそこにありました>と結ばれ、「きっとみなさんも『自然に演奏してください』のお話の数々に触発され、考え方まで広がるでしょう」とも述べられています。
    
カザルス氏のレッスンについてのエピソードなどから、それにまつわる一部印象的なところを引用して、少しご紹介します。


抜きだしたことで、原文のニュアンスが伝わらないかもしれませんけれど、そのエネルギーを感じ取っていただけたらいいなと思います。
本文は対話方式です。
  

『』はカサルス氏のことば 
VM・「 」はヴィヴィアン・マッキー先生
y:私の補足ガイド・コメントです。

キーワードになりそうなところを太字にしてみました。



『自然に演奏してください』
『あなたは自分が何をしているのかわかっていません』

y:カサルス先生は、最初のレッスンで始めにこのようにおっしゃったのだそうです。
音大を出て留学をする頃すでにソリストとして演奏のキャリアを重ねていながらも、この言葉から学びがはじまります。


VM
はじめての正式レッスンでハイドンに取り掛かり、スケールから始めました。
非常にゆっくり演奏していくのです。

やりながら、なぜ左指を常に同じ角度になるように弦に置くのかと質問されました。
(それまで私は、常にそうしろと教わってきました)。

次に、すすんで前腕を少し回転し角度を変える技法を見せてくださいました。

そうすると指を抑える方向がブリッジの方を向いてずっと自由に手を伸ばすことができました。

行ったり来たりできるように』、『そうすれば柔らかくなる』

・・・(手のひらをエンドピンの方にむけるようにしますが、これは古いスタイルと思われているようです)。
そうすると、人差指から薬指まで伸長させる能力が行き渡り、とりわけ中指と薬指が良く開くようになります。


・・・カサルス氏は何かしら、『しかし、柔軟にあるいは自由に』というようなことをワーク中ずっと教えていました。
その際手、手というものをどうみなしていかというと、
手は指と全部をまとった家族のように動かすところであり、
それぞれの指は各自独特の役割を担うところまで明確でした。

彼による指使いは、
強い人差指があり、
人差指と中指は非常によく伸張する関係があり、
中指と薬指は少し一緒に動きたがり、
小指には驚くべき強さがある、
となされました。

動きたがらない方向にムリに指を動かすようなことを、彼のやり方では一切しませんでした。

つまり、カサルス運指には、それぞれの指に独立した働きがありました。
それぞれの特性に合わせた一番うまくいく方法になっていました。

結果として、非常に独特な運指法になったといえましょう。
カサルス氏はこの(生理的な)伸張を知っていました。


高いD(レ)の音に上がって行こうとしたときのことです。私は失敗しました。・・・
「彼はそれでは一緒に探しましょう」と言って、二人で同時に演奏しました。

何度も何度も一緒に音を出して、とうとう二人が完璧に美しくぴったりするところまできました。
そこで私の耳が拡がり、大きくなりました。

我々はDを見つけました。納得できるまで部屋をその音で充満させ、しずくが沁み込むように、毛穴から皮膚を浸透していくように、同時に耳、目や、鼻へも沁み渡るようしました。
Dに洗われて酔っ払いD漬けになったのです。・・・


『これですよ。ここにDがあるのですよ、どれどれ』
と言いながら右手を使って左手をずっとたどるように、指板を押さえている指先から沿ってもっと上へ、
自分の肩の方へ、ずっと流れるように示しました。

そのとき突然自分の腕を使えばDはどこにあるか知ることができました。
いや腕だけというよりも、すべてを使うことでDがどこにあるかわかると教わりました。

単に指板を押さえるだけでは音は出ません。
どのように指板に関わるか、私と指板の関係性によって音が出ます。それだけのことです。

・・・関係性私全部から生じて、指板のある点へ向かって行きます
そこが大変重要です。
それからカサルス氏は『さあ、これでDがどこにあるかわかったからそこへ行こう』と言われました。

・・・すると、すぐに行けました。・・・全く問題なくそこに行けました。
そして『行き先がわかっているのいなら、その旅は何の問題もないのです』と言われました。
筋感覚の要素があるからです。

それ以来この考えを持てば、誰でもどこに音があるのか知ることができ、何の干渉もなくそこへ行くと分かりました。

『ごらんなさい、指先の一つひとつを』・・・・フランス語で『脳の営業支店があるでしょう』といわれました。

・・・そのとたん、指こそ知っているという新しい考えが全部一度に沸き起こってきました。

私の注意力を目覚めさせるように、氏が自分の右手をずっと左手に添わせて上の方へ動かして見せた時・・・その時に舗装工事は済み、新しく分かりやすい道になりました。

次に本当に指の支店を選べば頭の「本部長」にいちいち指示を仰ぐ必要はありません。
責任を自分の指に任せても一向に構いません。
キラッと一瞬で私は了解しました。

・・・大抵は、毎回一つの指一つの音を弾けばよいのです。
その一つを「」使っています。

長い長い音であろうと、小さな小さな音であろうと、
たった一つの指で操作して、「今」やっています。

次の音に移る時が来たら、次の指が責任を持って、「今」を選んで次の音に行きます。

つまり、一つ一ずつの指が分化して、脳からの関係をずっと持ちながらも、独自の決定で動くのです。

そういたやり方で、次の音でどこをおさえるか、
指そのもので知ることができ、おのずから選ぶことができることを見せてくださいました。

だから私はその考えを使って対応することを、手に入れました。
すべての音が、指板の上にある気付けば、後の仕事は選択するだけです。

頭の中にある以前に聞いた何かの音と一致する音を、希望的観測を持って探す必要はありません。

ある音を見つける能力が高まれば、次の音との関係も深まります



*****

y:私の補足ガイド・コメントです。

y:
指に脳の支店があるというお話は、とても面白いですね。

こちらは、身近なお話し(笑)

レッスンしていて生徒さんがある程度、指使いや音程がわかってきているのに上手く弾けない時は、左手に意識が行きすぎて、右手が良く働いていないことがあるように思います。

指使いや音程が最大の関心事になっているのです。

右手のボーイングに意識を向けてみます。

指のことは左手に任せてしまい、右手で響く音を出すことを主に意識をするように切り替えるとどうでしょう。
例えば、右手8割・左手2割くらいのつもりで考えて弾いてみます。

よい響があると、音程がもっと良く分かってきます。

弓が弦とのつながりが弱い時に、頼りない感じがして左手に力が入ってしまいやすいこともありそうです。

右手で意識的に楽器とつながっていることで、左手も自由に軽く動けるにようになると思います。

両手が協調し、身体全体のなかで働くことを思い出したいですね。



本の話、次回[自然に~2]へ続けます。

 

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今、考えていること

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ヴィヴィアン先生は、
カザルス先生に習っていた時のお話をされていました。


「こちらの音を弾いている間に、
次の音に対して、あなたに何ができますか」
というカザルス先生の問いかけがあり、
よく考えて、
今できることは何もない。とわかりました。
今、やっていることしかできない。

その問いかけは、
先生にとってその後の人生でなお、
大変意味深いものになりました。

「今しかない。」
が、たどりついた答えだそうです。

今やっていることの質について、
意識的であること。
本当に必要なことをやる。

アレクサンダー・テクニークのレッスンで、
「私は機能的かどうかを見ています。」
と、ヴィヴィアン先生はおっしゃいました。


     ******


機能的であるか。
関係性を考える。

どんな考えが、自分全体に何をもたらすのか。

やったこと、やったことから起きたこと。
これらをもたらす思考の関連性を考える。
ずいぶん前のことからも、ようやく今、気付いて学べることもある。

「どうだったか」という意識は、感情となって、
今と「やること」を飲み込んでしまうときがある。
過去を味わっていると、今を忘れる。


やりたいことがうまくいかない。
先走っているかもしれない。
先に進めない。
振り返ってばかりいるかもしれない。

関係性を見いだす思考から、
学びを信頼して、
ちょっと、今のスペースを持ち、
今「やること」を考える。


今、考えていることを、
自分に優しい選択にしよう。


    ******


ヴィヴィアン先生の本から、
≪序曲≫に書かれた詩をご紹介します。


私は耳にしたことがある
お話しする人がお話ししていたことを
そのお話は始まりの終わりだった
けれど私は話さない
始まりの終わりのことを

事の起こりなんてものはありはしない

だけ

若いとか古いとかいうのも今にはない
それにこれ以上完璧なものもありはしない

だけ

天国も地獄もありはしない

だけがある

ウオルト=ホイットマン
私のうた より


ヴィヴィアン先生の御本を再び読んでいます。
本の事をまた書きたいと思います。
      
 vivien      
  


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なんと、ちいさなお嬢さんがレッスンに来てくれました!

不思議な引き合わせを感じています。
お母様もご一緒です。

1/2サイズの楽器を自分で抱えて。
楽器経験すでに1年。
アンサンブルも経験があって、
楽譜より聴いて覚えるのが得意だそうです。

大きな目をパッチリさせて、
緊張気味かな、ちょっと大人しい。


「今日は何をやってみたいかな?」

目をパチクリ。
「弾きたい?」
うなずいてすぐに、楽器を出してくれました。

楽器を出して構えてみると、
1年間で身につけてきた、いろいろなことがありました。
さて。今日は何を伝えようかな。


楽器が身体には少し小さく、ピアノ椅子はまだ高いようです。

いまの状態から、楽器との関係を、座り方からやってみます。

部屋が狭くて、ちょっと3人では窮屈なのですが、
座り方をアドバイスしていると、
だんだん、椅子ごとこちらに近づいてきます(笑)

弾きたい気持ちが、とっても良く分かりました。


真似をしながら一緒に。
足のスタンスをとって、
膝はつま先の方へ向くようにして座ります。
足の裏は床に付けておきます。

楽器を持ってくる前に、自分の座り方を考えてみましょうね。

とても柔らかい身体です。
椅子の上の身体が股関節から動けるように。

息はしやすいかしら?

座って、楽器を自分のところに迎え入れます。

楽器に身体を合わせるより、
その方が動きやすくなるから。


だいたい構えられたので、
両手を前に伸ばして身体で楽器を抱っこしましょ。

楽器とダンスするみたいに、左右にも揺れてみようね。


久しぶりだったようですが、
覚えている曲を少しだけ弾いてくれました♪

いきいきと指と弓が動き、
子供らしい勢いのある演奏でした。

早い曲で、細かい音符、
一生懸命練習した様子が分かりました。

ご本人は口数がまだ少ないです。
目はくるくる動いています。


もっと弦を響かせることを、やってみたいなと思いました。

弾いてくれた音から、D線のGを選び、
弾いている弦が良く膨らんで、隣のG線も共鳴するのを見て、聴いて、
チェロが響く様子を感じてもらいます。

短い弓使いになじんでいるようでしたので、
反対の事もやってみました。

弓の毛を、元から弦に持って行って、
先のところまで、全弓で弾く。
これからまっすぐ弾く練習をしていきましょうね

ロングトーンを、見て聴いて、
いっしょにやってみました。

響くようすがわかり、
弦の様子や弓の様子に気がついて。

分数チェロですがその楽器なりに、
豊かな音になってきました。

チェロをもっと鳴らすことができるね。

これから、もっといい音で弾けるよ。

いきいきとした目で大きくうなずいてくれました。
またやってみましょうね。

何がしたいかなって考えてみてきてね。」とお話して、
レッスンは、ここまで。

弾きたい曲がハッキリあるようです!


ケースにも自分でしまっています。ちょとお手伝い。
弓の扱い、おっとっと。(笑)

ケースのストラップが長かったので、
短くして背中に沿うようにします。

担ぐ時は、まず片方のストラップを深く肩にかけてから、
立ち上がるようにしてみてね。
楽器が大きくて大変です。

お母さまが打ち合わせ中も、
ずっと背負ったまま待っていました。
黒いケースを背負った姿は、かわいいカブトムシみたいです。

これから新しい楽譜も買って帰るそうです。
ちょっとわくわくしているように見え、ほほえましかったです。
そうそう、小さな椅子が必要です。


新しい出会い、
彼女の望みと、
そしてお母様の思いと共に。 
お会いできて、嬉しいです。

楽しいレッスンにしたいです。 
レッスンのこと、また書きたいなと思います。



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江利子さんのワークショップにて。


あるゲームをしました。

2人組で、向かい合った二人の手のひらと手のひらの間に、
1m程の細い棒の端と端を突っ張りあい、バランスを取ります。

どちらかがりードして、押したり引いたり、
相手はその動きに合わせて、ついていくゲームです。


お互いの表情や様子を測りながら、
ちょっとした腕の変化から、
いろいろな身体の動きについていきました。

途中で、リード役を交換。
これも上手くいきました。

それから両手で、左右両手で2本の棒になりました。
動きは複雑になってきます。

今度はどちらともなくリードする。しばらく上手くいっていましたが、
私の手がちょっと浮いて、棒を落としてしまいました。

私は思わず「失敗しちゃった!」と口から出ていました。

その時の失敗への反応に、
まさにKenさんから学んだばかりでしたので、
「おっとそうだった、これは全然たいしたことでもないし、可笑しいの!」
すぐ気付いて「落としてもOK!」と思えました。

そしてその後は、また、しばらく目をつむってやってみたり、
ゲームを楽しみました。


後で感想を話し合いました。

落とすことに何のペナルティもなかったのに、
「上手くやり続けることに意味がある」
という癖がしみついているなあ・・・
と、私は思いました。

「失敗した時、笑顔になってくれたので、とってもホッとした。」
とパートナーは言ってくれました。

パートナーも自分のせいで失敗したと思っていたのが、
その時になって分かりました。

「向かい合うことにちょっと苦手で緊張していたけれど、
失敗してもパッと笑顔になってくれたので、その後は安心して信頼でき、楽しめました。」

そうか、はにかんでいらしたように見えたのは、
実は緊張していたのですね。

<つながりのゲーム>でした。


このようなことから、
TEDのスピーチを思いだしました。(参照)

ちょっとストレスになることがあるとき、
初対面だったり、上手くやらなくちゃと思っている時。

心臓がドキドキするホルモンが出ます。(a)

いつもより脳に血液をたくさん送って、
身体に活力を与えてチャレンジに備えてくれています。(a:アドレナリン)

まずこのことを知っていると、
呼吸が速くなって、汗がでる、不安、そんなストレスを感じている時に、
これは体が助けてくれているのだ、
と思うことができます。


同時に、このようなストレスで心臓にかかるダメージを回復させるホルモンも出ます。(b)

それは、相手に思いやりやつながりを求め、
心にも働きかける働きがあります。

<抱擁するホルモン>とも呼ばれているそうです。(b:オキシトシン)

オキシトシンは心臓と心にも働きかけ、
ストレスがあった時に、
人との共感や優しさが感じられると、
さらにその働きを強める


この2つのホルモンは同時に働いて、
ストレスを乗り越える強さを与えてくれる。


身体にはストレスに対応する仕組みがあること知っていることで、
ストレスを感じても身体がサポートしている反応だからなのだ、
という信頼と自信が生まれて、
心臓のダメージが弱まり、
勇気や喜びを感じるときのような状態に、
近付くのだというのです。

身体についての思考を変えることで
身体の反応を変えることができる


ストレスと、上手く付き合うことができる。
どのように考えどのように対応するかで、
ストレスの経験を変えられる。


緊張や失敗、つらい気持を、自分や周りの人たちが感じているとき。

まずその痛みを受け止めて、そして助けを求め、
ともにいてその痛みを共感し、思いやること。

そのストレスから思いやることが回復力を作り、
周りの人を助け、自らも助ける。

人間のからだが、そんな仕組みを持っているなんて、
驚きで、なんて素晴らしいことでしょう。


痛みを受け止め、共感すること。

自分のために、誰かのためにも、
笑顔になれて、思いやること。


一緒にいる
自分にも、他人にも優しくする
キャシー先生の教えにもつながるかなと思いました。


もうすぐアレクサンダー・テクニーク教師資格を取られる江利子さん。
(後日加筆:めでたく資格を取り教師となられました!おめでとうございます♪)

今回ワークショップのテーマは、「自分に優しい選択」でした。

自分への失敗やストレスに対する受け止め方。

自分に優しくすることは、
他の人にとっても優しいあり方へつながっていることを感じました。


素敵な気付きを頂きました。

どうもありがとうございました。

*TEDの素晴らしいスピーチを、どうぞご覧ください
「ストレスと友達になる方法」
心理学者ケリー・マクゴニガル
http://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend?language=ja

 


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Ken先生の授業から、思ったこと。

宇宙飛行士は、
物事を非常にプラン通りにやること求められるけれど、
プラン通りにやることより失敗したらどうするか、
リカバリーする訓練に何カ月もの時間をかけるそうです。

失敗したことを、みんなで拍手して祝う。
それはまた新たな困難に対処する課題を、
発見できたからなのだそうです。

失敗したことが行動をさまたげたら、
さらに問題をかかえてしまうから。



今、やることをやり続ける。 
今、起きていることを見続ける。 
上手くいかない時そこから、リカバリーをする。

その時、上手くいかなさに、
耐えられないように感じても、
そこで続けることもできる。



練習は実験。
失敗は情報。
今、そこからどうするか。

起きていることに対するプランを考えていく。
起きることに対応するプランをもっているように。
失敗は成功のもと。


今、起きていることを、受けとめよう。
今の自分に優しくしよう。

上手くできなくて、がっかりしたりするけれど
今、起きていることから興味を持ち、
答えをみつけよう。


好奇心・向上心が、自分のための酸素みたい。
やりたい気持ちが燃料。

火を灯しているもの。
なぜ、火を灯しているのだろうか。

何を照らし出しているだろうか。
ずっと消えない思いがあるからこそ、
今がある。



最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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肋骨と脊椎のカーブ2~動きの始まり~

カテゴリ:
気持良く座っていようと、
電車に揺られながら、考えていました。


どんなふうに座ってるかな。
頭が動けて、
座骨の上に胴体が軽く乗っているようにして、
股関節からも動くことができて、
膝は楽で、足は床を感じる。

脊椎は、積み重なってバランスして、
頭が動く方向は、矢印を書くとしたら、
頸椎の一番上から頭のてっぺんへ、
首の後ろが楽に伸びて、上前方向へ動いていける。


そしてサラ・バーカー先生の本を、
また久しぶりに、始めから読み返していました。

本にもある、頭の方向について思っていたら・・・
今までにない様子で、肋骨がちょっと動いたのに気が付きました。

肋骨はスッと下向きに少しだけ降りて行きました。

着ていた服と胸の周りにゆとりができて、脊柱20100712_1440316ふわっと胸周りが柔らかで、
脊椎のカーブは少し上向きの弾力があった。

これが頭の動きと首から脊椎がついていったとき、一緒にありました。


肋骨に下向きのカーブがあって、
脊椎からにつながるバケツの柄のように動きます。

脊椎にもカーブがあって、
脊椎のカーブの伸びがあり、動きがある。

その動きは、頭と首の動きについていく。

動きは身体全体で一緒にある。


縮んでいた首が伸びて、脊椎が上向きについていくと、
上がっていた胸が緩んでいって、あご下の首の窮屈さがとれ、
視線も、楽に前を見ることができる。
K0010058
ちょっと目線が下を向いているような、違和感がとれました。
胸をいつも少し上向きにしていたようです。


身体の伝えてくる情報は、
具体的なより現実に合った身体のイメージによって、
もっとはっきりしてきたように思います。


次の日、その素敵な感じを、もう一度やってみたくなる。
残念ながら同じ感覚再現できるわけではない、と知りながら、
どうだったかな、どうすればまた肋骨のあの感じがやってくる?と、
ちょっと思ってしまう。

もう動いたんだから、変わっているかもしれないし、
またいつもの習慣に戻ったかもしれない。


自分が気持よく座っているために考えて、
思ってみることで変化がありました。


なんでもやりたいことをやるための考えとして
頭と脊椎の上向きの方向を思い、その動きについていく

ここに戻って、
いつも、またそこから始めればいいし、
いつか、またどこかの動きに氣が付けるかも。

なんだかちょっと楽しみ。


***


バレエのレッスンで感じたこと。

バランスは動き。

気持良く動かせる時は、
関節や筋肉、身体の中に少しペースがあるような感じがします。

いつでもすぐ動きだせるような軽やかさがあるときは、
動きための、支えもあります。

すぐに動けそうな身体でいる。
いつも身体の中に動きがあるまず頭が動く、
それを思うのをきっかけにして
みます。

立っていても、座っていても、
いつも体には動きがある。

そして笑顔でいると、動くことがいきいきとして、
なんだか楽しくなってきます。


「能力を出し切る身体の使い方/アレクサンダーテクニーク」
(ビイング・ネット・プレス発行)お勧めの本です♪




最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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たまに声をかけてくださるお友達に久しぶりに誘って頂いて、
ピアノ四重奏(Vn.Va.Vc)の演奏をご一緒させて頂きました。

素敵な歴史のある洋館での結婚披露宴、
古い木の床のステージ上で演奏しました。
全体を良く見渡せる、高さのあるステージでした。
お庭からの穏やかな陽差しもあり、
落ち着いた雰囲気の会場です。

初めて合う方と、ほとんどリハーサル無しで演奏することもあります。
楽譜の段取りの確認をするくらいでした。

選曲は良く考えて下さっていましたが、初見の譜面も多いです。
皆さんベテラン。
その時々に、ふさわしいと思われる事を、
それぞれが良い間合いを取りながら、
音を重ねていきます。
会場に流れていく、寄り添う響き。

自分に出来ることを、その時役立てることが、望まれていること。
ちょっとした視線や、音の誘い。
それぞれの仕事が合わさって、その空間に響いている。

演奏に伴う果たすべき責任、注意が高まる緊張はあるけれど、
会場にいる人たち、それぞれの思いや、気配り、
幸せな雰囲気とともに、
お互いへの信頼と、インバイトを感じられる、
嬉しいひと時でした。

素敵だな。
やっぱり生演奏っていいものだなぁ~と、嬉しく思いました。
一緒に演奏させて頂き、ありがとうございました。



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ああ、どうしよう・・・と思う時。

身体は後ろへ引けて、
小さくなって、
固くなり、動けなくなる。


そんなとき、
動きだすために考える。

自分に、声をかける。


そこに、そんな風に小さく固くなっている子供がいるとしたら・・・。

子供の目を見て、
子供の全体の様子を見守って、語りかけるだろう。



自分の中で絶えず話している、もう一人の声。
その声は、はたして何だろう?

少し、静かにしてみる。


今、浮かんでくる思考に気付く。

その思考をながめてみる。
どんなことを思って、何を言っているのか。


思考にとらわれ、怖がっているのに気付いたら。
自分で自分に声をかける。

感情と思考がある。
そこに、あるものに気付く。


感情に潜む、
悪魔ちゃんがそこにいる。

怖がらせるのがエゴの得意技。
出たり引っ込んだり、
「どうしよう・・・」というおそれに、
引っ張りこもうとしている。

怖がる気持は、エゴの好物。
怖がる気持ちを、ながめてみる。

怖れを思考と分けてみよう。
今に戻ってこよう。


今の自分が、どんな気分でいたいかは、
自分で決めよう。

今の自分に、どんな声をかけられるだろうか。
今の思考に、気付いているだろうか。



嬉しい時、
辛い時、
身体は感情に、すぐさま反応している。
思考と感情に気付く。

思考と身体は一つのもの、分けることはできない。
思考が変われば、体が変わる。
身体が変われば、思考が変わる。


固まって小さくなっている時、
頭と脊椎の関係が、
そこから抜け出すことができる、
自分の在り方を変えられる、
大きな変化の小さなきっかけになることを
思い出せるだろうか。



自分に、どんな声をかけていますか?
どんな声をかけたいですか?



小さな子供に声をかけるとしたら・・・。


やりたいことかな?
それをやるのかな?

出来るかどうかじゃないのね、
やるということを、決めるだけ。

やりたいことの、準備をしよう。

今の気分はどうかな?
ドキドキ、ソワソワしてるかな。体はエールを送っているよ。
やりたい気持ちは、OK?

まず、何からするんだっけ?
頭が動ける事を、お願いしようね。
声をかけるからね。

じゃぁね、どうやってやろうかな?
ちょっとしばらく両手を腰に当てて(笑)考えよう~
体中で応援団がムクムク動きだした。
そう、伸びやかなエネルギーが顔を出してきた。

身体全部が、一緒にあるからね。
いつも一緒だからね、思いだして。
1つずつ順番にどんどん動いていくよ。

いろんなことが、今から起きるけれど
それでいいんだよ。

どんなことも、やってみるからわかること。
こうして今気付いていることが、上手くいく秘訣。
笑顔もね!

さぁ、そろそろ行けるかな。
そうだね、
やりたいと思うと、頭が上に動きだすね。
出来ると思うと、身体も動きだすね。


ワクワクすることを、応援したい。
やって行く事、その過程のすべてを、ホントはとっても楽しみたいし、
それは嬉しいこと。

回りをよく見てごらん、
気が付けば、皆もそっと見守ってくれていて、
何があっても、私は一番の味方。


今を1つ1つやっていこう。
よし、行けそうかな。
いつも声をかけるよ、
身体が、全てが応援してるよ、思い出して。

じゃ、やってみよう!
自分全部で、やりたいことをまず1つやってみる!


その1歩に、おめでとう!
どうだったかな?

さぁ次はどうしたい?


*社会心理学者のエイミー・カディ 「力のポーズ」 TED ぜひご覧ください!
http://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are?language=ja#


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肘の手を回すしくみ

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手を回す腕の働きは、
肘、肩の2か所にあります。

肘について、
骨と関節の働きから考えてみました。


その前に、気をつけたい大切なお知らせ。


あまりある部分だけに着目していると、
全体のつながりを損なうことがあります。

なんと実は、しばらくこれを書きながら考えていたら、
肘の回るところを考え過ぎて、
なんだかそこだけ、少し痛くなってしまいました。

もっと全体を思いだしてよ~という身体の声!
そうでした、動きを感じようとしていると、
どうも無駄な力が入ってしまうのです。


「木を見て森を見ず」ですね。   
部分だけ使うということはなく、
身体はつながって働くことを思い出します。
そうするとやっぱり、痛みは無くなりました。




<肘>肘 elbow
上腕骨が、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)につながる肘関節。

曲げ伸ばしと、回る動きをしています。
尺骨曲げ伸ばし橈骨回る動きをしています。


以下少し細かく、肘の回るしくみを、
肘を曲げた状態でみていきます。


肘の左右の、脇に出た骨の突起を触って、手を回して動かしてみると、ここは回らないです。
これは上腕骨(上腕骨外側顆と内側顆)です。


尺骨は、小指側の骨。

手首の小指側の突起は尺骨で、
骨をたどって行くと、小指側から肘側に向かって太くなり、肘頭に当たります。

上腕骨尺骨が深く接して、曲げ伸ばしの動きがあります。



橈骨は、親指側の骨。

橈骨は、手首側が太く、
上腕骨と接する面は、尺骨よりも浅く小さいです。

曲げた肘の、尺骨の肘頭の出っ張りを手のひらで包んで、
手を回すと、くるくる動くのが感じられるところが橈骨頭。


肘は面白い構造で、
橈骨尺骨の接する部分に、
車軸のような関節がついていて、ここで回っています。

くるくる動くところを触って、肘から回すとき、
手が一緒に動いています。


手のひらが上向きの時、橈骨尺骨の2本の骨は並んでいます。
手のひらを下向きに返すと尺骨を軸に、
橈骨尺骨の上に交差していきます


肘からの動きで、手のひらを上向きから、親指側を内側へ回すのは、回内
その反対に下向きから、親指側を外側へ回すのは、回外です。

手のひらを、パタパタ上下に返す動き。
ドアノブを回す、ページをめくる、鍵を回す動きなどです。


手は橈骨と回って尺骨に支えられています
尺骨が、上腕骨と身体とのつながりを支えます。


一見回っているかのような手首の動きは、
手のひらの手根骨との多様な動きなのです。

回らない手首・尺骨が無理をするときに、
痛くなるかもしれません。

手を回すつもりで、
無意識に肩から腕全体を回していて、
肘を使っていないこともあるかもしれません。


肘の動画です
https://youtu.be/KPei75SkHFY



<肩>
肩甲骨上腕骨の肩甲上腕関節。

ここから内回し(内旋)、外回し(外旋)します。
肘からの回内・回外と混同しやすい。


腕を伸ばして、腕全体を回していくと、肩甲骨・鎖骨も動いています。
(腕を動かしながら触ってみましょう)


肘や手首のつながりが、指や腕の動きと共に働きます

肘と肩は、楽器を扱う手の動きにさまざまに対応して働いています。

回内・回外によって、手と指先の向きが変えられます。

親指は回り込んだり、角度を調節することが得意です。
これらはつかむ・つまむ拇指対向性*による働きもあります。
(*過去記事:親指の動きのヒント1 に簡単な記載があります)





チェロは、左手はビブラートの、
肘からのなめらかな動きがあります。

薬指や小指を使う時に弱いと感じていたら
尺骨から肘と腕のつながりも助けになります。

右手はボーイングで、指と弓へのバランスを助け、
弓を扱う角度を付け、身体とつながりながら
弓を弦にフィットさせます。ピッチカートも同様に。



頭が動けることで、
腕全体と身体のつながりによって、
手を動かし、
エネルギーを伝え、
音を奏でる~♪




最後に木つながりで、素敵な絵本のご紹介です。
「チェロの木」作:伊勢英子・偕成社
チェロの木
森の木を育てていた祖父、楽器職人の父、そして音楽にめざめる少年。おおきな季節のめぐりの中でつらなっていくいのちの詩。
http://www.kaiseisha.co.jp/books.html?page=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=6393
 


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