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2014年11月

手首の動き

カテゴリ:
手首の動きを柔らかくしたいけれど、どうやって・・・? 

そんな時は手を良く観察してみましょう♪


皮膚の下の、骨、腱、筋肉など、
表面から見えないものがいろいろあります。 
手のあたりって、とっても複雑な仕組みです。

ちょっと細かな作業をするときに、
手の動き具合を意識することになりますが、
手の中がどうなっているかまで、なかなか思い至りません。


手が動くことが、あたりまえすぎるのですよね。

すごいな、すてきだな、
かっこいいな、欲しいな・・・と思うものだったら、どうですか?(笑)

惹きつけられて、どうなってるんだろうか♡とマジマジ見ます!

反対にあんまり好きじゃない・・・って時は、
あんまり細かいこと見たくなくなったりしますね。


興味を注ぐこと、関心を向けることで、
あらそういうことなのね!あら不思議、あらすごい!
と新たな共感ができるのでしょうね。


というわけで、どれどれと、ご自身の手をじっくりご覧くださいね。
もし興味があったら(笑)

なるほど、こうなってるね~と思って手を動かしてみましょう。
身体の仕組みが面白くて、もっと上手に大切に使いたくなります。

誤解から、こんな風にしか動かない、
こういうものだと思いこんでしまっていることも、あるかもしれません。

意識や身体が、習慣や経験から覚えてやっていることがあるのです。


KIMG0056

例えばこんな動きをやってみましょう。

手首から先だけ、動かしてみます。

小指側(尺骨側)に曲げていくと、尺屈(しゃっくつ)
親指側(橈骨側)に曲げると、橈屈(とうくつ)
 
手のひらを手首側に曲げると屈曲または掌屈(しょうくつ)
手の甲側に曲げると伸展または背屈(はいくつ)

このように、それぞれの動きに名前が付いています。


小指側の手根骨と尺骨側の間には少しゆとりがあって、
尺屈側は橈屈よりもたくさん動きます。
橈骨の手根骨に接する側には、少し小指側へ傾く角度があります。 


いいね!と指を立てたり、何かを指さしたり、ジャンケンをする手など、
それぞれちょっとずつ、手首の動く傾き・表現は違っていて、表情豊かですね。

前腕と手首の関節(橈骨手根関節)から手のひらにもたくさんの骨があり、
靱帯で互いに結びつけられています。


手の骨 bone_hand
手根骨は様々な形をしていて、手のひらの中の関節を作っています。
(手根中央関節・手根中手関節)

手の中だけでなく、腕にもつながる筋肉や腱の働きによって、
複雑な動きを可能にしています。


お風呂のお湯につかっている時、手をいろいろ動かしてみましょう。
弓を扱う時のようにしてみます。
お湯の抵抗は、ちょうど弓と弦の摩擦のようにイメージして下さい。


尺屈・橈屈は、上げ弓・下げ弓のときに良く動きます。
背屈・掌屈も同時に関わっています。
尺屈・橈屈した使い方によって、腕の動く様子も変わります。


背屈で指は閉じるように曲がりやすく、
掌屈で指は開きやすくなります。


手首と指の柔らかさには、このような動きも関わっているのですね。

弓の返し、移弦ではこれらの組み合わせが繊細に変化していきます。


こんな動きがいっぱいあって、ふむふむ。とやってみてください。
意識が変わると、動きも変わります。

手が腕とまっすぐだとか、手首が動かないと思ってしまうと、
ほんとうに動きにくくなるのです。

肘がたたまれて腕を引き寄せ胴体に沿うとき、手首も曲がりやすくなります。
肩甲骨・鎖骨は、腕の動きと共に動きます。



お風呂のお湯のなかで手を動かしたら、身体はどんな様子ですか?
手首を動かそうとした時、何が起きているでしょう。


思ったこと、やろうとしとことは自分全部を動かしています。
ちょっとゆっくりと、お風呂の中で観察してみてくださいね。


          ****************

文字を書く。

鉛筆を作ろうとした人の思いがあって、
どのように考えられて鉛筆が作られているか、
小学生の時、国語の教科書で習いました。
そのことはなぜか今でも忘れません。

あたりまえのように思っているけれど、
道具にはなんでも、その機能を考えて作った人の思いがある。

鉛筆を最後まで大切に使いたくて、
どれくらい短くまで使えるか鉛筆ホルダーを使ったり、
小さなえんぴつ削りやカッターで削ったりしませんでしたか?(笑)

鉛筆は、楽譜に書くには2~4B鉛筆が良いです。
さっと濃くかけて、消しやすく、見やすいです。
どんどんノートを取るには、シャーペンもいいですね。
高校生の頃はHで、ちっちゃい字をこまこまと書いてました。
0.5mmだと折れやすくて使いにくいと思ってました。
筆圧の強すぎたせいです。

今愛用しているのは、0.9mm芯の丈夫なタイプの2Bのシャーペンです。
ちょっと前まで0.9mm芯を使うこと、思いつきませんでした。
折れませんし、なかなかいい書き心地。

さて。
書く時に、力がどれ程必要なのでしょう?
そんなことも授業なかでありました。

私は、けっこうな力でペンを握り、ガシガシって書いていました。
消すと後が残るくらいでした。


「文字を書くために、頭が動いて自分全部がついてきて、
指先が動いて、紙にペン先が色を写す。と思いながら書く。」

手を握るような力をそんなに使う必要がなく柔らかく持てて、
もっと指先の動きを使って書く。


なるほど、目から鱗。

今はもっと軽く、さらさら書けるようになってきました。


生活の中のちょっとしたことですが、
こんな風に使い方も変わっていくのだなと思いました。




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レッスンで生徒さんとのやり取りから。

できた!と思ったとき。うれしいですね。
やった~もう一度できるかな?と思いますね(笑)

その時あわてずもう一度やってみる前に、やり方を考えます。

そしてああそうだな、こうしたらできそうだなと思えます。
わかった!又は、ん?これは!と発見があるかもしれません。

アイディアはメモしておくといいですよ。
気付いたいいことを肯定形(これがポイント)で書きます。
考えていることがどんどんつながっていきますから、
アイディアノート、お勧めします。

同じようにできること、がいいのでしょうか?
また同じようにできることも大切ですけれども、
そこで、目的(弾きたいところ)について、
今度はどんな自由さがあったらいいかなと思ってみます。

できる・できないという感じのまた先の、
大切な練習になりそうです。

安定してできるようになるということは、
ある部分の結果だけのことでなく、
そこができるための選択が自由ということかなと思います。
そして先へまた一歩進みましょう。

例えば、もしいつも同じ所から弾きはじめないとその部分ができない、
そんな思いこみがあったら。
そんな時は、チャレンジ。
そこだけでもできるし、もうちょっと前からも、
フレーズの途中からでも、どの音からでも、
弾けるようにしてみます。

さらにまたそこから、
今の一音一音を作ること。
今のつながりを作ること。
今から全体へ、広がりを把握していくこと。

エチュードなどで、繰り返して同じようなパターンのある時、
同じように機械的にたくさんやる練習と思うと、ちょっともったいないです。
その課題の意図をくみ取り、遊び心のある、チャレンジをしてみてください。

やり方をよく知っていく、
そして、自由に違うやり方、
変化に対応していけるための練習です。

一人で弾く状況より、誰かと一緒に弾くとき、
特に必要になってくることです。

例えば、自分のやることの正しさばかり思っていると、
やりたいようにできないのは周りのせい・・・
と思ってしまいがちです。

周りのせいで上手くいかない、
そんな風に思いたいときのそのやりにくさは、
自分があんまり自由でないのではと気付けるかもしれません。

演奏していて自分が大丈夫と思える時は、
周りにも気づいていて、
何かあっても落ち着いていられるし、
その時に自分にできること、
ふさわしい対応をすることができます。

できるとは、どんなこと1つでも、
今ここから、自分のやりたいことを、
どんなタイミングでどう選ぶのか、という自由さかしら。

嬉しくて、楽しいことですね。
次はどうする?こうするよ♪
いいね~♫じぁ、次はこれねって
音でお話ししているのですね。
できることを、楽しんでみましょう。


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前回のクイズいかがでしたか?
たくさん考えることがありますね。

練習する時は、何を考えていますか?

音程や指使い、ボーイング、
音を作る過程もたくさんやることがあります。


演奏してみます。

さあ、今どうでしたか?
何に気が付きましたか?
身体はどんなふうに動いていましたか?

その時何を考えていましたか?

やってみてわかることは、
考えておきたい事がハッキリしていると、
また新しい発見がありそうです。


ポイントは、うまくいかない所でただやり直すのでなくて、
やりたいことをもう一度思い直すことがいいのです。

こうしたいのだけれど、
今はこうなったから、今度はこうしてみよう。
試してみる、をやってみます。


ここに指は行くべきだ。とか、
はずしてはならないと思うと、
自分で身体を固めてしまうきっかけをつくります。

反対にいつもできている何でもないところを、
ぽっかりやってしまう。
直前のリハーサルで間違った方が本番うまくいく。
ずっとうまくいかなかったけれど、本番でできる。
そんな経験がありませんか。


やりたいことを、意識的にチャレンジしてやってみることを、繰り返す。
思いきってやってみる。

練習する時、実際の演奏や本番を想定しましょう。

そのとき大切にしたいことを思い出すことは、自分を助けてくれるでしょう。


からだのどこかが気になる時は、それがサインです。

そこを大切に思ったら、そこから自分全部を思ってあげてください。
指さん、ありがとう。腕と身体、自分全部一緒に思いだして下さい。


心地よさは、自分まるごとから思いだせることかもしれません。

楽とか完璧とかではない、そのままを受けとめられることかもしれません。


「感謝されることは、とても心地のいいものです。」
トミー先生の言葉です。 

このブログを始めた頃、トミー先生のワークショップに参加しました。
私は演奏をみて頂き、素敵な言葉をいただいていました。
その一部分です。


「唯一注意を向ける事は楽器を演奏する事
演奏するふるまいの中で、可能な限りたくさんのものを見つけること
そしてそれ以外の事は勝手に起こります

楽器と共にあることへの感謝を持つ
その楽器が演奏させてくれる事に
それと同時に楽器からのあなたが演奏してくれることへの感謝も
そして感謝されるという事は、とても心地の良い事です

演奏できない事はやろうとしないで
それを使って出せる音を探求して見て下さい
感謝を持って演奏してみてください」


何かやりたいことを思う時、
こんな気持を持つことでも、身体が変わります。

心地よさについて、思ってみてくださいね。



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カテゴリ:
寒くなってきましたね。
もう冬になったのですね。

今回は、いつもとちょっと趣向を変えてみます(笑)
まず1つめは、参加型クイズ。
2つめはチェロを弾く時に、この所考えていていいなと思ったアイディアをお伝えしましょう~

このブログをたびたび訪れてくださる方には、おなじみのフレーズ。
「あれでしょ。」とわかった方!試してみてくださってますか? 
はじめての方、お越しいただき、嬉しいです。
関連する前記事など、よろしければお読みくださいませ。

1つめ、ウォーミングアップ!
まずは、クイズ形式で♪

さぁ、やろう。その時に、思いだしたいこと

それは何でしょう?
例えば演奏の場面で。(演奏以外でも何でもいいですよ)
a、やりたいこと
b、今の自分
c、周りの様子
d、頭と脊椎の関係 
e、その他

どんなことを考えたらいいでしょう?
a、指使い(必要な技術1)
b、ボーイング(必要な技術2)
c、音楽(やりたい目的)
d、頭と脊椎の関係 
e、その他

今(そのとき・演奏中)何をしていますか?
a、呼吸
b、音・音楽をイメージ
c、インバイト(招待する:お客様、共演者、同僚)
d、頭と脊椎の関係 
e、その他

大切なことはなんでしょう?
a、好奇心
b、笑顔
c、プロセス
d、頭と脊椎の関係 
e、全体性
f、その他

他にも、何か思い当ることはありますか?
皆さんそれぞれ、いろいろありますよね。
正しい答えということでなく、考えてみて下さいね♪(笑)


ミニ解説
頭と脊椎の関係:頭が脊椎の上で動けるバランスは、
自分全体のどんな活動にも影響している、という仕組みです。
「頭が動いて、自分全部が付いてくる」と思います。



さて、その2 今日の本題。

これからはチェロについてです。
<指先の動き>で役に立ちそうなこと。

身体が動く時にどんな意識でいたら動かしやすいか、考えています。
身体の大きな動きはもちろん、小さな動きも、身体全体と関わりがあります。
どんな動きもその質や機能には、身体の中のバランスが関わってきます。

指先が繊細な動きをするときほど、身体が不必要なことをしていたらやりにくくなります。
その反対に、身体のバランスと支えがあるとき、指先はとても動かしやすくなりました。

『頭が動ける』ことを、いつも身体全体の動きの中で考えるようにしてみましょう。

動作の動き始め、動きの最中に動きの変わる・終わる、その少し前の時に、
ボーイング記号、指番号、強弱、スラーの指示などで、
そのタイミングで、それが『頭』と書いてあるように思ってみます(笑)
何でも思い出すきっかけにするのです。
それによってやりたいことがうまく行くなら、やってみる価値があるでしょうか。
なぜかと言うと、そのタイミングで、固くなってしまいやすいからです!

そして、
やりたいことをやるために頭が動けるように思うそうすることで自分全部がついてきて
いつでも、動けそうな身体でいる

そこからもう少し進めると、
すぐにでも(ぱっとスピーディに)、動けそうな身体でやる

もう一声加えると
十分に必要なだけの力を使いながら、いつでも離せそうな指でやる

お試しください。マイブームです。
生徒さんともやってみていますよ。
抗重力、拮抗筋、バレエの支え、つながりなど、これまでのいろんなイメージを合わせてみました。
弓も同じです。
どうかしら♪


**********

おまけ♬
昨日、美容師さんにカットしてもらいながら、
軽やかな手さばき、スッキリとした身のこなしを見ていました。
お店は空いていて、お喋りするのも差し支えなさそうだったので、
その動きについて質問しました。
面白かったのでご紹介。


「お仕事の上で、ご自身や指導されるとき身体について考えていらっしゃることは何ですか?」

素敵な美容師さん
「お店の指導によってやり方・方針が違います。

僕は身体の軸から動くとか、見る角度や傾きかた
腰を曲げずに膝で低くなるとか。肘の高さですね。
厳しく指導されました。
(高さ・角度を見極めることは正確なカットにとても大切なようです。)

個人的には(スタイルの)流れを大切にカットしていますが、
部分部分を大切にするお店もあります。

厳しく指導されたぶん自由さが無くなっているようにも思う。
もっとのびのびやってみたいとも思う。
自分は違う指導の仕方をする。」

というようなことをおっしゃいながら、美しい動きでお仕事されていました。

なるほど。
雑誌をほとんど見ないで飽きずに過ごせました。



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「どうしてそう思うの?」

そんな問いかけを、
レッスンで、自分にもしてみます。

私は、以前は「どうして?」と言われると、
理由を問いただされることに身構えてしまう、
なんとなく漠然とした不安を感じました。

できていないから?
否定されているから?
私の考え方の癖だったかもしれません。


子供のころ、「どうして?」をうるさがられる位連発して母親を困らせます。
きっと誰でもそうだったと思います。

自分で考えることをだんだん学んできたけれど、
ちょっとはましな答えをしようとか、
正解を答えるのがいいと思うようになって、
だんだん緊張するようになって行くのかもしれないなと思いました。


間違うと、自分にがっかりすることがたくさんありました。
わからないと、恥ずかしい。そう感じました。

でもやってもちっとも分からない、
上手になんて全然できない。


何かして、がっかりする自分がいます。
それより、見ていよう。見て学ぼう。そんな気持もどうしてもあります。
言わなきゃよかった、やらなきゃよかったとすごく落ち込むこともあります。
くよくよするのは馬鹿みたいだな~と思って忘れてしまいます。
向き合うことを避けているともいえます。

でもやっぱり、かっこ悪くても、へたっぴでも、
今この自分からまた始めればいいのですね。

今の状態を否定するより、そうなんだ・・・とただ受け止めたら、
ここから建設的に考えることができそうです。
こうしたからこうなる、をシンプルに思えばいいのですね。

「どうしてそう思うの?」ということは関係性の問いかけなのに、
感情的な反応をしていました。
だからそれでぐるぐるしてしまうのですね。

自分はこう考えて、こうするのがいいと思うからやっていること。
やりたいことをどのように、どうしたら一番いいかを知っていることが、
自分への信頼になっていくのですね。
自分のできることで、自分の世界を少しずつ作ってきました。


またそこから一歩踏み出すことが、
なかなか勇気のいることです。
 
 
私はどうしたらいいかわからなくなって、
きゅっと固まって小さくなることはすぐ起きます。

そこで、少しの好奇心を持てると、
また見方は変わるのです。

遊び心や、楽しんで、
笑顔でやってみることもいい方法ですね。


「では、どうする?」
「こうしてみたら?」*
と考えることは、本当に自分を助けてくれますね。

今こうなっているけれど
少し違うやり方を試したらどうだろう?


考えていると、アイディアが浮かんできて、
それに関わる情報がどんどんやって来ました。

いろいろな考え方を受け入れて、
やってみて、少しずつできることが増えて行きました。
なるほど、そうか!これだ、と思えるとき、
身体がヒュンと伸びてます(笑)

半世紀とちょっと生きてきましたが、
さてさて、今のありがたさを思い出せる瞬間がちょっとずつ増えていきます。
残り時間が減っていくのに気がついたからでしょうか。


アレクサンダー・テクニークは、
どんなときにも自分を助けるやりかたを教えてくれます。
 
人生の折り返しで、
さらにまた新しい自分を育てていけたらいいなと思っています。

それはちょっとした冒険です。
自分で自分自身を助けていけるように、
そして、誰でも自分の望みに寄り添えるように、
一緒に考えたいです。


2ヶ月後にワークショップをすることになりました。
クラスメートのヴァイオリンのmiyukiさんがパートナーです。
私たちは弦楽器を演奏することから、この問いに向き合っています。
ヴァイオリンが、チェロが、大好きだからです。

演奏について考えるとき、
どんなことが起きていますか?
どうして・・・?
どうしたら?
という疑問がわいてきませんか?


同じような思い、又はあなたの思いについて、
一緒に考えてみませんか?

「どうしてそう思うの?」
「それは、どうしたらいいのかしら?」
「では、こうしてみたら?」


それは、もう一つの問いかけから始まります。
「あなたは何をしたいですか?」


この小さな出会いが、いらして下さる方たちとともに、
何か新しい一歩のきっかけになりましたら嬉しいです。 



 *「こうしてみたら?」

こちらについて、すばらしいTED×札幌 植松努さんのスピーチをご紹介いたします。
『思うは招く』

Hoping invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo

https://www.youtube.com/watch?v=gBumdOWWMhY

関連過去記事です
カテゴリ:アレクサンダー・テクニーク
 はじめの一歩・・・やりたいことをやる為に
 思い
カテゴリ:こころとからだ 
 今考えていること  
 つながり


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康裕先生の授業から。

「いすに座っている時、立っているときも、
いつも自分の身体全体を思いだしてみましょう。」

例えば、自分の重さを普段は忘れているけれど、
動こうとした時に、重たくて大変と思う時があります。
動きにくいなと感じることもあります。

ドスンと座りこんでいる自分に気付いて、
その時、もっと椅子に軽く座っていることができるのだ、と知ったら、
自分をもっと軽く扱うことができました。
バランスの移動で立ち上がるのもスッとスムーズになります。

立っていて、自分の重さを身体全体でどんなふうにバランスするかで、
様子が見た目にも明らかに違ってきます。

身体からやって来るたくさんの情報にもっと気付いて、
そして気持良く動いていたいと思いました。


お仕事や、演奏の時に、
または電車の中で、思いだしてみてください。

周りのみんなはちょっとお疲れの様子かもしれませんが、
ご自身はいかがですか?

頭が動くこと、頭のてっぺんが一番高い所に居続けて、
そして全部がついてくることを思い出して、
そこから周りを眺めてみてください。

たぶん周りの見え方が変わります
遠くも良く見えてきます。
息がスッと入ってきませんか。

気分もなんだか晴れやかです。
血行が良くなって、身体の中からじんわり温かくなってくるかもしれません。


「頭が動いて、身体全部がついてくる」と意識している状態は、
何かふだんと違う様子になってくるのがわかるでしょうか。


車の教習所に行き、初めて路上に出たとき、周りの景色が違って見えました。
自分の視点や意識する状態が変わったら、
同じ景色も、まるで違う世界が広がったように思えた記憶があります。

どんなふうに座るか、立っているかは、
その時の行動・動きの質に深く関わってくるということです。

心や意識も共に働いています。
そして長い間に、その人の様子を作って行くものなのですね。


ちなみに姿勢に関わる脊椎について、
「動きの解剖学」の記述より要約すると、

<体幹の背部に位置する深層筋は脊柱筋と呼ばれ、
小さな筋肉なので、横たわったところから起き上がるようなときには力は無いけれど、
脊柱をまっすぐに保つために脊柱筋は協調して働き、
各椎骨レベルできわめて正確に機能する。

垂直位ではバランスを取る仕事に働き続け
立っている時はほぼ常に働き
これらはとても活動的な筋肉であり、
疲労することなく長時間働くことができる。

脊柱筋の助けを借りて、
頭部は一日中ずっと『頸の上に座って』いられるのである。>

とあります。

身体のたくさんのパーツは頭を載せて連結し、
ほんのちょっとした働きも連動しています。

頭がちょうどよくバランスを取り続けて動いていることが、
全体のまとまりを良くします。

立っていても座っていても、
全身の働きにつながっているのですね。

気持良く動くためには、このバランスはとても大切で、
身体とバランスの様子は、
意識を向けることでより気付いていけるようになって、
実感できます。

動きの中にバランスがあるので、
固まることをしない、
むしろ動き続けていいのだと思ってみます。

安定は、中で対応し続けることができることと理解できます。

康裕先生は動きながらふくらはぎは柔らかくなっていて、
触らせて頂いてビックリです。

ヴィヴィアン先生もどこも固まらないように、
とおしゃっていました。

演奏していて、できたりできなかったりする。
そんな時、全体をうまいことまとめてやってくれるのは、
結局、このバランスの働きなのだと、毎回レッスンで気付かされるのでした。 

頭の動きから首が上に伸びていき、体に広がりを持つ。
それがとても気持ち良く、体を機能的に動かしやすくしてくれるのです。

本当に小さな動きから、全体のつながりを見ていく。
指先から、もっと繊細に動きだしたら、
肘や腕や肩甲骨はどんなつながりで動くでしょうか。

 
自分がどうバランスをするかは、
意識的にしていけるもの


というのは、つい先日もバレエのバーレッスンで、
先生の問いかけで、
「手をどのようにバーに置くか?」を考えたら、
ずいぶん体が違ったのです。

バーに頼って体を動かすより、
いつでも手が離せそうに触れるている方が、
バランスや感度は断然良くなりました。

頭が上に動くこと思い続けながら、
自分の力で自分の中からしっかり支えることが、
ポイントでした。

すぐに動き出せそうな身体でいる。
頭から足の指先まで、
いつも体の中に動きがある。

片足で立ち、もう片方の脚を上げて行き、
そして手をそっと離して、
腕も身体のバランスを作る。

なるほど、同じように楽器との関係を考えたらどうかしら
と、思いました。

そのポーズのまま、
顔を身体の正面から横に向けていく動きだけでも、
バランスは難しく感じます。

顔を動かせば脊柱にひねりが生まれます。
そのためのバランスが変わって行くのですね。

あるポーズ(型)は全体の動きの中の、一つの場面。
その動きの流れはどこからくるのか考えます。
頭がうごけるように、そうすることで身体全部がついてくるように。
機能的に、流れをもっとスムーズに美しくしたい。

バレエは健康のために大人になって始めた趣味で、
基礎練習をゆったりマイペースで10年。
なかなかハードですが、
うまく体を使えるときはとても身体が軽く感じます。

奇麗に動けると嬉しいです。
音楽に合わせて、
身体の隅々まで意識しながら動かしていくレッスンは楽しいです。

軽やかに力強い動きをできるようになりたい。
そして気持ち良く動くことを、
楽しみたいといます。


関連過去記事です
カテゴリ:こころとからだ
 肋骨と脊椎のカーブ2~動きの始まり~ 
 胴体の動きのつながり 
 腕を自由にするために
カテゴリ:今日の学び
 視線

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カテゴリ:
[自然に 1・2・3]に続きます。


しなやかさ。ボーイング。座り方。大地とつながる。


  『』はカサルス氏のことば VM・「 」はヴィヴィアン・マッキー先生
   y:私の補足ガイド・コメントです。
   キーワードになりそうなところを太字にしました。



VM

カサルス氏はまずチェロ演奏における新しい根本原理を下さり、中でも最も重要なことが、しなやかさでした。

弦をかき鳴らすのは楽しいし、弦を弾ませることなど全部ダンスのようです。・・・
私は自分の中全部にリズムがあるように感じているのだけれども。・・・

ほとんど留意されることもなく、気付かれることも取り扱われることもない演奏方法があると思います。

弦の弾力性です。チェロ弦にはすこぶる弾力性があり、弓と毛の双方でうまく働きます。

演奏者が弦を押さえつけぎゅっと無理に音を押し込めているところをよく目にします。
その代わりに、実は弾んでいて欲しいところです。

弾力性を持つと完全性が手に入ります。

そこにアレクサンダーテクニークを用いると、どうやったら自分自身をうまく操れるかもおそらくわかります。
自分のために自分をもっと効果的に働かせることができます。

楽器の中にしなやかさが含まれていると認識されされ、それが使われることになれば、フレーズはあるがままに響くしかありません。

私はこうした経験を何度もしています。弓使いを誰かに伝えているときによくあることです。


y:

ヴィヴィアン先生にボーイングのご指導を頂いた時は、「ネコを撫でるように」弓触れ、弦に触れることを教わりました。
柔らかな手首や、腕全体の様子をしなやかにして、手が弓の軌道についていくための動きでした。
 
その柔らかい全体の動きから、弓の重さを楽器に乗せることができる。弓の重さを扱うこと。

肘を落としていく腕の使い方によって身体の軸に沿う動きが、余計な圧迫を除いていく。

そうして、もっとチェロらしい豊かな深い響があらわれる。

そんな音が出せることが嬉しい驚きでした。



VM

全てしなやかです。全て柔軟です。』
 演奏者だけではありません。

チェロ本体も弦も弓も大地も。
そう大地はしなやかで、空間に広がって行きます。

波を打って伸長します。
固まってしまうものは何もありません。

しなやかさに重要な内容が含まれてくるのは当然ですし、何かを手放すことによってのみ皆さんのしなやかさが得られます。

ところが「手放していくと安心する」というのは大方の演奏者にとっては間違いなくとても奇妙な考え方でしょう。


椅子の選定に、・・・立派な椅子を選んだとしても、脚を固めていないことが一番大事だというのに、演奏者の足と脚は簡単に固まってしまいます。

足の裏が膝の下で安定していない状態ではバランスが良くないのは当然です。
・・・とても大事なことです。

しなやかさは実際の身心にあります。
関節のすべてに肉に指先に宿っています。
それなのに、人はいつでももっと自由になれるようにはしていません。
より大きな動作のためにわからなくなっているからです。

しかし、やろうと思えば完全に満たされた動きにすること、表面に見えないほどきめ細かい動きが主導できるようにもできます。

股関節
胴体などのどこかで動きがブロックされていると、必要以上に大きな動きが見え、これを1つの目安とすれば分かります。



y:

ヴィヴィアン先生のレッスンでは、まず足が固まらないようにすることを私に教えてくださいました。
 
椅子の上の座骨に胴体がどのように乗っているかを感じられ、足も胴体も柔らかくバランスをするのです。
おかげで足で踏ん張らなくていいと、思えるようになりました。

演奏前に「強く1つ足踏みをしてごらん!」と授業内でおっしゃることが、たびたびありました。

カサルス氏が演奏前に、そのようにして音楽のためのエネルギーを身体から表出させたことがあるのだそうです。
本文中にその記述がありました。

身体の中にあるリズム、大地を踏みしめる、動物が本来持っていたエネルギーとつながるために。

現代のさまざまな拘束から固めてしまっている体を、解き放つために。
そういうことなのでした。

大地を踏みしめるダンスのリズム。
表わし方は違うけれど民族それぞれの形で根ざしているものなのでしょう。
 
 
追記:
座奏でも、脚が股関節からいきいきと動かせるような胴体との関係性が、
演奏のパワーにつながってくるということでもあるように思います。



VM

最近の生徒さんには、練習をご褒美だと思ってやってごらんなさいと伝えています。
宝物を発掘したと思いなさいと。

そう思えば決して単純作業にならず、特別な喜びを持って取り組めます。

そうすれば、ご褒美を楽しんでいるのですから確実に、固くならずにいられます

私の言う「特別な喜び」とはやっている最中に自分全体が音楽になって行くときのことを表わします。

もしかしたら、たった二つの音でいいので、その音はこれだと思えるものが出せたら、その時には自分の外見も変化していますし、自分全体の・・・存在全体が変わります。




y:プラードでカザルス氏のレッスンを受けていた頃のお話し。
 
「かかるだけの時間をかけましょう」

VM
 
・・・以前は自分にリズムがあるのに気付いていなかったようです。・・・
面白かったのは自分のリズムが大きな時間軸上にもあるという発見です。

およそ六週間ごとに伸び悩みが来るのが見つかりました。
だんだん空っぽになってしまって、どうにも練習が進まなくなりました。

・・・私に必要があってそうなったのでしょうが・・・
そんな時は自然の中へ出かけて行きました。すぐ側にいくらでもありました。
大家さんの領地へ入ると、小さなアンズの木がありました。

そこへ行く途中で乾いた土を掴んで指の間をすり抜けさせました。
「私いったい、何やっているんだろう。これって頭がおかしくなったんじゃないの」とまず思いました。

それから「いやそうじゃない、私は接触して大地を求めている、物事の基礎になるものを」と思いなおして、土の上にごろり寝転んでしまいました。

土の上ってのはまんざら捨てたもんじゃないということがわかり、真冬でもそうしました。
「日光浴じゃなくで、ただのグラウンディング、寝っコロリング」です。

それから「これでいいのだ」と思いました。
何か私の必要としていたものが大地からやってきたのでしょう。そんな感じを楽しんでみました。

痛みが和らいだのと同時に、元気づけられました。


        **********

y:

演奏について悩み、考えることは尽きることがありませんけれど、
考え方を学んでいくことで、
自分のやり方、起こることへの対処の仕方が、
ずいぶんとラクになってきたと思います。

自分のために、どんな考え方を持てるでしょうか。
どんな考え方が役に立つのでしょうか。

その時その時に、新たに思考と行動を求め、
合わせて機能的に働くようになっていきます。

アレクサンダーテクニークの学びは、
1つ、また1つと、動きや響きが見つかります。

こんな考え方で、こんな音が出るのか、
こんなやり方ができるのかと、
練習や演奏は以前に比べてまた一層興味深いものになっていきます。

変化は見えないほど小さくても、
とても大きな驚きと喜びです。

それは演奏に限らず、
生きていくすべてに関わることなのですね。



今回まで4つの記事で「自然に演奏してください」の本から、
ほんの一部を引用させていただきました。

実際レッスンを受けたこと、そして学んできたことから、
書かれていることの意味ついて考えています。

またこの後に読んだときにはまた、
違う理解ができるのだろうと思います。


興味を持たれた方は、実際に本を手に取ってお読みになったら、
その時のご自身に響く何かが見つかるのではないでしょうか。

カザルス氏と、ヴィヴィアン先生とアレクサンダーの共鳴するものが、
皆様にとっても何かのきっかけになりましたらと思います。



最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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見る。音を聞く。

アレクサンダー・テクニークとのつながり。
ビブラートについて。



先生の言葉と、関連する私のメモから。

  『』はカサルス氏のことば
  VM「」はヴィヴィアン・マッキー先生
  JAはジョー=アームストロング氏

   y:私の補足ガイド・コメントです。
    特にキーワードになりそうなところを太字にしてみました。



VM

彼がやることを私自身の目を通してずっと見続けるように要求されました。
y:カザルス氏とのレッスンでは楽譜を使わなかったため)

彼の観察をただ続けると言っても、誰かが「上に伸び」ていくのを見続けながら、自分だけ「上に伸び」ないでいるのはすごく難しいということがお分かりでしょう。
どうしても何らかの影響が生じます。


y:
>ヴィヴィアン先生の授業メモより

上に伸びていくことは注意力を高める。
すなわちコーディネーション(頭と脊椎の関係から身体全体へのバランス)を高める


VM

カサルス氏はチェロ演奏にワークしていただけでなく、私全体とワークしていたと、確信しています。

アレクサンダーレッスンが始まった後で、カサルス氏もずっと「自分の使い方」に対してワークしていたと気がつきました。

それから当然ですが、カサルス氏は私の耳に素晴らしいものを降りそそぎ続けてくださいました。

レッスン中、耳をそばだてる以外できない状態で仕込まれました。


カサルス氏と学び始めたばかりの頃は、とにかく音を聞き分けることさえできない状態でした。

・・・しかし学びが進んで聴き分けられるようになってくると、とてつもない可能性が広がってくることが分かりました。

強い刺激がやってきたときや曲中で次の音に移行するときにも、
ずっとずっと可能性が広がってきて、最適な音が選べるようになってきました。



y:
>ヴィヴィアン先生の授業メモより

聞くことの可能性がもっとある。

最初の音、そして次の音。
音は次の音に向かって育ち展開していく。

一音一音を生きぬく。
その道をたどって次の音へ行く。

「今」は音の中にどれくらいある?
今の音が育っていく時、一緒にいる。



VM

私が初めてアレクサンダーのレッスンを受けにいったときのことです。
先生は私のやり方を止めました。

誤ったやり方をするのを何度も何度も止めるカサルス氏のようでした。

今振り返ると、カサルス氏は伸びて行きながら、つまり「上に行き」ながら演奏していました。
彼の優れた全体性によるものでしょう。

音楽に高い要求を求めていたから、いつでもあらゆる刺激に対してうまく対応するようにしか、彼はやらなかったのでしょう。

そうなると、自分がカサルス氏に学んだことは、本当に長い目で見るとアレクサンダー・テクニークから学んだのと同じ道筋にあったようです。



y:
>ヴィヴィアン先生の授業メモより

うまくいくかどうか悪い心配をしてしまう時、やることはいっぱいある。

上にあがっているようにしていたら忙しいし(自分のあり方を方向づけていたら)
ただ上に向かっていれば、そのほかのことは起こらないもの。

自分の全部を演奏に注ぐ。

ただ首を自由にして、全部自由にしてパニックを取り除く。
自分に加える、押しつけるもの、びっくり反射を除く。

首に起こることを止めてあげる。



VM

ビブラートの問題はありましたし、その原因は、弦を奏でる際に自分が、
特定のやり方で指を接触させていたからでした。

腕が動くやり方も関連する問題でした。

ひどいビブラートの問題が自ら解決し調和したのは、驚くべきことです。

逆に言うと、指を弦に接触させる状態が不適切で不正確で理不尽なままであるのに、改良を進めようと特別にビブラートの練習をしたとしても、単なる時間の無駄に見えます。



y:
>ヴィヴィアン先生の授業メモより

指の感覚を、もっと実際の弦と弓と毛の感触に。

指が、考え・選び・決める。
神経学的に、「細胞ごと考える能力がある」という仮説もある。



VM

カサルス氏から学んだことは、何たる非凡だったのでしょう。

初期の段階で、正確に正しい時に正しい場所へ正しいやり方で正しい指を置く、すると必然的結果としてすべての事柄が生じると、自分が教わっていることはあまりにも基盤的なことに思えて魂を直撃しました。

「正確さは楽譜から抜き取って」、耳で聞こえるようにして初めて得られます。


JA

筋肉の動作を通してということですか?


VM

はい。それに加えて精神的な正確さも必要です。

同じ事柄の両面に過ぎず、両方が不可欠です。

・・・自分の一番深いレベルで起きた体験がキラキラ輝きだします。

正しい音を正しい時に奏でること、単にそれだけなのに、確実に根っこまで関係します。

自分自身がそこまで関わらずにはいられなくなります。



y:
いかなる人間活動のプロセスも「精神的」か「身体的」かと分けることは不可能である。(アレクサンダー)

>ヴィヴィアン先生の授業メモより

コントロールは選択できる。
他のことと格闘しないで選んだことをやる。

一つ一つの音を一つ一つやればいいだけ。
その一音が形を構成していく。



VM

カサルス氏の卓越した演奏において、他の人が同じようなやりかたをあまりやらず、彼だけがやっていた部分を思い出してみると、「語る」のと「歌う」のと同じようなチェロの演奏のやりかたです。

『歌う音質は美しい音質であり、美しい音質は歌う音質である』

彼は色合いの幅を倍になるくらい増やすこともしました。

そのとき使ったのは「ビブラートなし」演奏法です。


ビブラートなしでやるのが現実的なスタート地点です。

ビブラートは特別な成分として、必要と思われたところに使います。

なんでもかんでもビブラートでオブラートに包んでしまうようなことを、彼は絶対にやりませんでした。


それは一つの表現方法としてかなり使える可能性があります。

チェロの音に幅を持たせ、一つの筋の通った部分を成します。


場合によってビブラートなしが「必要とされること」です。





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休日の公園で

カテゴリ:
KIMG0009気持良く晴れた日、秩父へドライブ。
秩父ミューズパークに行ってきました。

駐車場はとめるところを探さないといけないくらいでしたが、
公園はとても広いのでゆったりと過ごせました。
 
イチョウの木は黄色く青空に映えて、
輝いていました。

広場ではあちらこちらでお弁当を広げていて、
小さい子はおもちゃのボールを投げたり打ったりして、遊んでいます。
たくさんの人たちが、休日をのんびり楽しんでいる様子です。犬も嬉しそう。
 
ちょっと冷たい風が吹くとき、
葉が時々カサカサ音を立てながら、舞い落ちてきます。
 
のんびりお弁当を食べて、お散歩していると、
楽器を音出ししているのが聞こえてきます。

立派な音楽堂があり、コンサートの案内をしていました。
KIMG0015
引き寄せられて、入ってみました。
市民音楽祭(第30回秩父市主催)で無料でした。

「私のいとしいお父様」が聞こえています。
ちょうど始まったところです。
 
ロビーに聞こえてきたのがとても良い歌声だったので、
これは?!と思ったら、
ゲストの国立音大准教授、澤畑恵美さんのソプラノ演奏でした。

鮮やかな張りのあるシルクタフタのような布地、
グリーンで、長いストールを肩から腕にかけ、
裾の華やかな紅い花模様がみごとなゴージャスなドレスで。

にこやかに、親しみやすく曲のエピソードをを交えながら、
秩父のご出身とのことで、故郷への感謝や、
音楽と共にこちらで育まれた喜びなどの思いも、
会場の人々に語りかけるように、お話しされていました。
特に若い人たちに、心を配っていらっしゃるようにもみえます。

本当に素晴らしい歌声で、その艶やかで豊かな表現、
伸びやかな身体全体の様子に魅了されました。
イタリア語、フランス語の歌曲、
日本語では日本歌曲に童謡も、
言葉も雰囲気もいろいろと楽しませて下さいました。
とってもいいタイミングで、ラッキーだったな!と思いました。

ピアノ伴奏は南澤佳代子さん。
濃紺に銀のラメが散りばめられたような印象の、押さえた色合いのドレスをお召しでした。
とても繊細に表情豊かに演奏されていました。
お二方とも国立音大のご卒業♪

7曲の演奏の後、
思いがけずアンコールに答えて再び出ていらっしゃって、
ご挨拶の言葉と共に、
「いつもは仕事柄、
演奏するために自分の感情の状態を意識的に律しているのですが、
会場のお客様の雰囲気やこの故郷への思いから、
今日は感動しています・・・」
というようなことを自分を落ち着けるように、
興奮をかみしめるようおっしゃいました。
 
それを聞いていて、言葉だけでなく、
伝わるものがあり、私も感動してしまいました。
なんだか涙が出ました。
(だんだん涙もろくなっています)
最後にオペラのアリアをドラマチックに歌いあげて、締めくくられました。 

演奏者がこうして感動している、この場のすべてのこと、
今日までの研鑽と情熱や人生を、
今ここにこのような形で伝えて下さっていること、
丸ごと素晴らしくて素敵だなと思いました。

こうした、何でもない道すがらにも、
たまたま立ち寄って、
こんな素敵なことに出会えるなんて。
ありがとうございました。
会場ではたくさんのお客様が、
この歌声を、それぞれの思いで聴いていらしたことでしょう。

こちらのホールは、CD録音などで よく利用されるとのこと。
音響も雰囲気も良いホールでした。

途中に道の駅へ寄ってお買いものした材料で、
夕飯にキノコ汁、焼きシイタケなどにして美味しく頂きました。

幸せな休日でした。


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