音は届いている
ある生徒さんとレッスンで。
楽譜の束を持っていらして、
やりたいことがいっぱいあるのが分かります。
いつものように、今日は何をやってみたいですか?とお尋ねします。
好きな弾きたい曲をご自分で選んでいらして3回目。
指使いも良く考えて、練習してみえました。
ポイントをいろいろ復習してみると、
いい感じになってきました。
それでも、どうもすぐ手が止まって、 弾き直して、
「すみません!」と、つい言ってしまわれるので、
どんなことを思いましたか?とお尋ねすると、
「上手くいかない。」「音程がずれた」ということでした。
どんな風に思っているかは、身体の動きに現れてきます。
間違ったら恥ずかしい、申し訳ないと思って、身体は小さくなる。
良く聞こえない、指が動かないと思って弾くと、力みやすい。
ミスを心配しながら弾くと、間違える。。。
一生懸命練習していらしたのたのが、よくわかるのです。
でも、間違わずに弾きたいこと、特に音程を外したくないことに、
どうしても意識が行ってしまいます。
「歌ってみましょう」と言うだけでもすぐ良くなる場合が多いので、
必要な注意が働けばいいだけだったりするのです。
ちょっと応援すると、変わります♪
身体の使い方にも氣付かれるようになってきました。
そこで、試してみたこと。
「私のために弾いて、私に歌って聴かせてね」
とお願いしました。
手元に視線が向きそうな時は、
時々「こっち、こっち」と両腕で大きく手招きして、
音はこちらに届いているよと伝えます。
視線も交わしながら、
とても大切に、最後まで弾いてくれました。
そして「そうか、歌えばいいんだ♪」と、
あらためてぽつりとおっしゃいました。
その方の大切に思う何かが表れてきて、
そんな風に聴かせてくれて、
とっても嬉しかったです♫
頭が動けるように、
そうすることで身体全体がついてくることを思い、
音を思う。
この音が、届いている。
この歌が届いている。
そう思って弾く。
とても素敵なことは、
その音と、その自分全体で、
そこで、誰かと、
つながりがあることを思いだせること、
響きあうことでもあるのでした。
音は、贈り物。
関連過去記事です。
つながり2 招く
できない感じ
響きあう
最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。