頭が動けるようになると、身体全体のバランスが働いて、動きやすくなる。


これまで書いてきました「頭が動けるように」とは、どういうことなの?
ということについてまとめてみました。


直立2足歩行の人間の脊椎は、重力に対して上向きのバランスを取っています。

脊椎動物は、目の見えている方向へ頭が進むように動きが起こるとき
続いて脊椎から身体全体にバランスする動きが伝わります。


赤ちゃんは、大きくて重い頭を支えられるようになり、ハイハイして前進できるようになり、
さらに立ちあがろうとくり返し転びながら、バランスを身につけていきますね。

しなやかに前進する野生動物の動きや、アスリートが100m走のスタートをする様子も思い浮かべてみたり~。

見ている方向へ頭が動いていく、脊椎動物が本来みんなもっている、自然な仕組みがあります。


普段自分の身体の事を考えるとき、頭の存在は忘れているのではないかしらと思います。

自分の頭を、どんな大きさでどんな形か、あらためて両手で実際に調べるつもりになって、
頭のてっぺんから、後頭、そして全体を、優しく触れてみてくださいね。



頭は、どのくらいの重さでしょう?頭bone_skull_side

5キロ以上もあるのですって!


首が頭を載せている関節は、左右の耳の穴の奥あたりにあります。

後頭骨環椎(頸椎1番)の関節が、頭と首の接点(環椎後頭関節)。
 
首の骨は頸椎といいます。
頸椎の上に後頭骨がのっています。
頸椎は7つの骨があります。




環椎Gray86

環椎(頸椎1番)は、輪状で左右に2つの楕円関節面があり、
後頭骨が乗っていて、筋肉や靱帯で支えられ、
スライドするように動き、ここからうなずいたり、
傾けたりすることができます(繊細な動きです)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E6%A4%8E
 
 
頸椎1番は、軸椎(頸椎2番)の突起によって回るようにできています。BlogPaint
突起は首の前側。




重力に対して、頭の重さを脊椎が積み重なって受け止めています。

脊柱は、頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨の全部で26個の骨が連なっています。

脊椎の周りの、深い所にある脊柱起立筋が、
骨と骨をバランスするように働き、この筋は身体が活動するために、ずっと働いています。


頸椎の周りに働く筋肉の調整によって頭部を支えています。
頭のバランスには、特に首の後ろの後頭下筋群が関係しています。脊柱20100712_1440316

【小後頭直筋に関する一口メモ】
ウィキペディアより

後部の後頭下筋群の一つです。

ここの筋肉は、様々な姿勢をした時に、目線を水平に保つために、調整をする部分です。

頚椎の1、2番は、その意味でも大切な部位です。

また、この部位は、椎骨動脈や頚動脈といった、脳への血液循環を左右する複雑な部位でもあります。

それゆえに、これらの後頭下筋群の働きは重要です。


引用ここまで


このあたりが収縮すると、後頭部下筋群k118頭を後ろに引き下げる作用があります。



何か危険や刺激を察知した時、身体を守ろうとして起きる働きで、
ギュッと首の筋肉が緊張する、びっくり反射というのもあります。


現代の生活の中では、成長していくうちに、
様々な活動において、必要以上に首を縮めてしまうことが度重なっていて、
脊椎のカーブの持つ弾力のある支えの働きを活かせなくなってきています。


たくさんのストレスや刺激への反応で、頭を支える首の筋肉が収縮して固くなるとき
頸椎が動きにくくなって頭とのバランスを崩し、それが脊椎全体へ負担になっていきます。


ちょっとした余分な力が入ることでも、活動に対処するために働く身体の表面の筋は、
バランスの変化を察知して身体を支えようと働くことになります。

それは、その人の身体の使い方によっては、
肩凝りなど身体のいろいろな疲れや痛みにでるだけでなく、様々な動きにくさ・やりにくさを起こしてしまっています。



「頭が動けるように」
と思うことで、脊椎とのバランスを取り戻し、
身体の緊張を無くしていくことができます。


動こうとする意識と、動きの変化はつながって、末端まで全身に及びます。

身体全体への動きの指令は「動こう」、「~しよう」と思うことで起こり、
動く指令は瞬時に身体に伝わります。




ここで実験です。************** 
 


頭が全然動かないように思いながら、左右を見てください。

身体にはどんな動きがあるでしょうか?
身体ごと向きを変えるようになるでしょうか。

「頭が動けるように」
と思い、視線から動かしていき、
頭がその動きについていくと見たいところを見ることが出来て、
身体の動きもついて来ると思いながら周りを見てください。

身体のどんな動きの違いがあるでしょう?
ずっと楽に自由に見えますね。



頭が全然動かないようにと思いながら、
弾きたい音を演奏して(やりたいことをやって)みてください。

首を固く縮めていると、身体の動きはどうなりますか?

これは、ストレスで緊張していて身体が委縮し固くなった状態と似ています。
弾き心地、やり易さはどうでしょう?


その固くなったところから、
今度は、
頭が動けるように、身体全体がその頭の動きついてくる思いながら
周りに意識を広げて、自分全体が伸びて広がるように思いながら、
弾きたい音を演奏して(やりたいことをやって)みてください。

響や、やり易さに違いはあるでしょうか?


            **************


楽しいことや嬉しいことをのびのび・生き生きと行っている時には、
身体はのびやかで緊張は少なく、活動的になっていますね。

小さな子供がびっくりするくらい大きな良く通る声を出すのは、
この頭と脊椎の関係がとても良いからかしら(笑)



私たちは普段どのように過ごしているでしょう?

今の身体の様子は、長い間にだんだん身に付いた身体の使い方の習慣でもあることは、
なんとなく想像がつくかと思います。



シェイクスピアの朗唱家だったアレクサンダー氏が、
舞台上で声がでなくなってしまったことから、再び舞台に立つための強い情熱を失わずに、
その原因を自分のやっていたことから突き止めようと決意し、とても長い年月をかけて探求します。

再び声を自由に出せるようになった過程から、
どんな人間の活動においても、目的を達成するためのプロセスに重要なことを見いだしました。

その考えの1番重要になる考え(プライマリーコントロール)に、頭と脊椎の関係があり、
そして身体へ働きかけている意識的な思考が、関係していました。



頭がどのように脊椎とバランスしているかが、全ての活動に影響を与えていて、
「頭が動けるように」と思うことが、自分全体の働きのためにとても大切なのです。



興味をもたれたら、演奏や生活に試してみてください。
 
小さな変化を楽しんで♪



アレクサンダー・テクニークについて、関係する本から、入門編のご紹介です

『アレクサンダー・テクニーク入門』サラ・バーカー著 北側耕平訳・片桐ユズル監修
『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』B・コナブル著 片桐ユズル・小山千栄訳


関連過去記事です 

はじめの一歩・・・やりたいことをやる為に       

胴体の動きのつながり    

頭はどこ?

       
       ****************

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