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先日サラ・バーカー先生と、記念に写真を取りました。KIMG0390
先生とっても素敵です。

教えて頂いたことを振り返りながら、まだ整理できていませんが、
印象に残ったことや、思ったことを書いてみます。



ティーチングメソッドクラスにて。

身体に方向性を感じていく体験のために、
<パートナーを伸ばしていくワーク>がありました。

先生の言葉に従って、優しく動いて触れていくことをし、
少しの刺激と動きを与えています。

自分の動きのすべてが相手に伝わっていき、
触れられる人は自分から何かすることを手ばなして、
動かされるままでいます。


お互いに、身体の様子や呼吸を意識して観察していると、
またあらためていろいろ気付がありました。

こんな厚みがあるね。こんな重さがあるね。
こんな動きもあるね。
呼吸が変わるね。穏やかになるね。

鎖骨・肩甲骨から腕、指先へと触れらていったとき、
あれー!?腕はビューっと伸びていきました。

腕は思っていたよりもっと長かった。

脚ももっと長かった。

腕や脚をもっと長く使えるのだと思えると、
身体が広がっていくような気分です。


普段、胴体の方にキュッと引き込んでいたのね。

関節にはプレッシャーがかかっているのだな。

プレッシャーは変えられそうだな、今はどうだろう・・・?
首にはカーブがあったな~。


身体の動きかた、身体の様子の認識は、
こんな体験によっても、さまざまに変わっていきます。



前回(1昨年)演奏を見て頂いた時。

先生の手のサポートで、その時の私の感覚では、
上向きの方向性のほとんど椅子から立ち上がれそうな身体で弾いている時、
チェロに何もしていないくらいで、これまでにない鳴り方をしました。

え~!?、この楽器はこんな音がするの!!と衝撃でした。

余計なプレッシャーが響を妨げているのね!とわかりました。


身体の動きの方向性の意識の変化が、
楽器の響きの概念をも変えてしまいました。

身体の使い方で、
こんな風に鳴るんだ!という喜びや、信頼がうまれます。


そんな体験を得て、
どんな風に何を考えていくかを学びます。


今やりたいことは何か?

起きていることは何か?

そして、どんな方向性があるか。


楽器は身体の前にある。(下でなく!)

脊椎は頭に向かい、頭は上前に向かって動いて行ける。

身体は下からのサポートで上へ向かって動いて行ける。

頭が動けるような身体全体でつながる。

脚のサポートのある胴体で、腕の自由さがある。
などなど・・・。



そして今回は、
演奏にまつわる身体と心のざわざわを、
静めることをして頂いたように思います。


しなくちゃいけない、あれやこれや、上にとか、ちゃんとやろうとか・・・。
身体が、今すぐやりたがっていること。

先生の手は、
私の身体に向かって、そっと押し当てています。

なだめるように、落ち着けるように。

時間をかけて、
手と身体に意識を向けながら何もしない(動かない)でみる。

楽器を弾こうとして、座って、弾かないでいる。
「数分の間でもやってみたらいいのよ。」と先生。

弾かないことを選ぶのも、練習。
身体に意識を向けてみる。


そしてそれから、やりたいことをやる。

やりたがっていることに、
ちょっと時間を与える事が出来るように。

すぐやりたいという刺激に気付く。
待つことが出来る。


身体が静まるように気付いていく時間でした。


それから、3度の重音の連続を、少しみていただきました。
私は思わず「手の形をみてください」と言っていました。

「形・・・」。先生は私の手を導きながら、
何度も何度も、指板へ添わせて触れる手をフワッととかわします。

じゃまするというより、違う所へ誘う感じです。
あえて手を定めることをしない動き。


腕を引きこんでいたことに気がついて、
腕が長くなることを思いだし、
指先から動いていく様子をしばらくやってみます。


さて、音の場所に指が向かって、重音を弾いていくと、
どれもぴたりと気持ち良く響きました。

その時、何とも楽ちんに、
まるで手が勝手に音を取ってくれるようでした。


あらかじめ入る身体や手への刺激を静めたとき、
手はそこへ行くやり方を知っている!と思えました。
この信頼は大きいと思います。

音を思うことで手が動く。

指先が繊細に選べるように、
動きの自由さを持たせ、先に手を形作らない。

動きたいとき、
余計な動き・余計な緊張なく動きだすことができるように。


今この瞬間を選ぶ。
やろうとすることについて、意識的に方向性を思う。

身体と心はつながっていて、
楽器やまわりとつながるように。


今ここにいて、
その時をちょっと待つことができ、
そして選ぶことができるように。 



最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。 


関連過去記事

2015/02/10 音を思う時
2015/02/19 指先につながる 
2014/07/05 触れるとき