弓を運ぶ
音の出だしを気持ち良く始めるために。音を出す前に始まっている動き、
弓を運ぶことについて、考えてみます。
やりたいことは、シンプルです。
弓は遠回りせず最短距離を通ってみます。
今やろうとしていることを思います。
弾きだしたい音のために、
毛のどこが(リーディングエッジ:動きの始まる先端)、
弦のどこへ(到達点)いく、
と考えてみましょう。
さあ弾こうとする時、
「頭が動けるように、そうすることで身体全体がついてくる」ことを思いながら、
「手は弓の重さを扱いながら、弓の通り道についていく」
と思ってみます。
近づいて触れるとき、
出したい響きを思い、頭が動けるように、そうすることで身体全体がついてきて、
「弓の重さを弦にのせる」
そしてすぐ音を鳴らしてみましょう。
そのようにやってみたらどうでしよう?
シンプルに音が出ることが分かると、
余計な力が不要になってきます。
やりにくさは、余分な動きを含んでいることがあります。
音を出すために動き始める時、
弓を持っていくために必要な動きを見直すと、
その先の、音の出しやすさにつながります。
動き出す前、動き出す時、
どんなことを思っているか、
身体全体の様子がどうなっているかも、
観察してみてくださいね。
どんなことに気がつくでしょう?
例えば、
小さな音を出そうとして、自分自身が小さくなっていませんか?
大きな音を出そうとして、ぎゅっと身構えていませんか?
動きはじめに首を短くしていませんか?
実際に必要なエネルギーを出すには?
十分に動きに備える、動きやすい身体でいたいですね。
そこで、
「首がどれくらい楽かな?」と思ってみると、
より動きやすい身体に意識的に持っていくきっかけが作れます。
頭の動きやすさは、身体全体に関わります。
そうそう、
「頭が動けるように~」ですよ!
思いだしてみましょう。
野球やゴルフのように、ボールをとらえる動きのために、
バットやクラブがボールに触れるまで、
どこを通るのかなど、
道具を扱う動きは大切ですね。
それは他の様々な活動でも同様に、
身体の機能が自然な本来の働きをした時、
道具は最も活かされるのですね。
手と腕の身体とのつながりで、重さに対応しながら、
道具と身体全体の動きをつなげていきましょう。
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道の字は、
文字のつくりに首が含まれるのが興味深いので、漢字の字源を調べて見ました。
会意形声。「辵」(足の動きを意味する)+音「首」(古くは同系統の音とする)である方向を向いた道を表わす。
みち。(ドウ)地方行政区画のひとつ、専門化された高度な技芸。
運の字は、
「辶」+音符「軍」、「軍」は戦車で丸く取り巻いた陣立ての意で、「辶」(足の運動)と合わせてぐるぐる回る運動を表す。
めぐらせる、運ぶ、物事を進める、めぐり合わせ、などとあります。
なるほど。面白いですね。
ウィクショナリー (Wiktionary) より
「道」で検索 https://ja.wiktionary.org/wiki/%E9%81%93
「運」で検索 https://ja.wiktionary.org/wiki/%E9%81%8B
関連過去記事です
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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