今とても多くの方が、演奏のプレゼントのほかに、日々の練習や課題をSNSで投稿してくださっていますね。
ある素敵な若手プロ奏者さんの自宅練習で、ハイポジションへ移動をしながら「舌と喉の緊張について考えている」というものを見ました。

私自身、難しいと思う曲を一生懸命取り組んだ時に起きた顎の痛みから、のちの舌の力みに至るまで長いこと取り組んでいましたので興味深く思いました。

練習していた曲を通して顎関節にひどい痛みが出たこと、それが無くなっていく間には、レッスンも受けていろいろな実験と発見がありました。

歯の食いしばりによるこわばりは、そのあと舌の奥の緊張になっていたのか、状態の繊細な変化を見ています。
それに伴って起きていること、やっていることが何だろうか?とみていくのです。
痛みが力みを教えてくれるのですが、それをやろうとするのがどんな時か、調べてみます。

興味をもって違いを観察する。
小さな違いにも興味を向けられるようになっていくと、だんだんと氣が付きやすくなります。
それは自分を痛めつけない、やさしいやり方になります。

いいと思ってやっていたことが自分でとてもなじんでいたら、それを止めることはちょっと苦労することです。
慣れていない、新しい違うやり方には違和感があるのは当然です。

やっていることを観察するときに、やっている感じが邪魔をすることがあります。
なんとなく慣れているやり方の感じです。
一生懸命弾き続けて、やっている間にだんだん悪くなるなら・・・立ち止まり、それについての考えを調べてみる必要があるでしょう。


ちょっと間を取って、やり方を観察することが大切です。
この間がとりにくかったりしますが、どんなお知らせが来ている?と思ってみます。

観察力が高まると、些細なことにもヒントが見つかったり、それがとても大きな変化のきっかけとなるのが面白いところです。

こうすればうまくいくという再現性を高めるためには、実際に考えたいことを動きのプランとして言葉にしていきましょう。
やりたい表現で、音を大きく小さくのような形容詞を思ったら、そのための実際の動きを考えます。
大きくするために、何を変えられる?どんな動きができる?
明確に信頼できるプランで更新されるとき、とてもシンプルなことの積みかさねになっていくでしょう。

課題を持って取り組むことの意味を、いつもとはちょっと視点を変えてみるのもおすすめです。
どんな言葉で、それについて動きの指示が出せる?

ヒントは書き留めるのがおすすめです。
いいと思ったことって、忘れてしまって何だっけ?さっきできたのに?となることありませんか?
感覚はどんどん新しく来るものです。

やったことについての考えを問うのは再現性のために役立つからです。
変化を説明できたら、そのことについて整理でき、理解が進むと思います。
大切なのは、意識的な考え方の変化です。

やりたいことのために、必要な動きを止めてしまっていると、動きの渋滞が起きます。
違うところで頑張っていることになると、窮屈になっていき、負担がかかります。
ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるようですね。
これが私の口やのど、指に起きていること、自分全体のつながりを止めていた様子の表れでした。

ブレーキをかけているのが、どのタイミングで、
どの場面で、何をしようとしていて、といった情報に注意して、
どれくらいの力でやれるか?考えてみる。


指を使うときの、腕と胴体のつながりは、
頭と脊椎の動きがその鍵となります。
頭と首~骨盤のつながり、頭~足までのつながり、それらがみんな関係があります。

ハイポジションに指が上がるときの腕の動きは、肩甲骨やひじの動きと密接に関係しています。
重音をしっかり弾きたいとき、強く押さえようとしていました。
その時腕を引き込んでしまうことにも、現れていたのでした。

筋肉の収縮を起こすとともに必要以上の緊張となって、力を使うときに固めてしまうことが動きにくさと痛みにつながります。

そのつながりでやっていることが、胴体でやっていることだったのです。
腕を引き込むときに、のど、胸、お腹でやっていることがありました。


レッスンに行って指導を受けた時、すぐにそれは「できない」という反応があるときに、
「練習した今までやっていることと、違うこともやってみよう」と考えて、
やり方を思い直すことで違う体験ができるわけです。
「そうか、それは新しいな」「面白いな」と思えたら新しい回路が開きます。

「力を入れる」「力を抜く」ということが、どういうことかいろいろ考えさせられる。
実際大変に感じられたり、わからないから困っているわけですが、
「やっている必要のないことを止められる」ということになります。
「必要なことをやる」のは、必要力なだけの力でということでもあります。

多くの場合、力が必要だと思っている力は「やっている感じ」によっています。
うまくやりたいけれど、うまくいかないときに、頼りにしているのが、「やっている感じ」です。
以前はもちろんそれでも良かったのですよ。
今はより繊細な変化を得たいと思っているからこその探求ですね。

うまくできたとき、『あれ?!軽い』と感じるかもしれません。
頼りない感じや『やっている感じがしないけれど、いい』
違和感があるのにスムーズになる。
やり方・動きについての考えが変われば、感覚も変わります。
感覚はどんどん更新されることをお忘れなく。


ここで1つ、新しいかもしれない「考え」を。
支えは上向きにあります。

またまた、以前言われてすごく印象に残っている言葉がありまして。
「上向きに弾く」「ビブラートは上にかける」
間違っている、と思いますか?
こうあるべき、という正しさや、定義を保留してみましょう。
引っかかった、この言葉からくる違和感は何でしょう?

これは、下の方向に行こうと考えているかもしれない、という氣づきになりました。
圧をかけるために、接触を得るために、やっていることがありますね。

動くために必要な支えは、下から上に向かってきているということがピンとくると、解決します。
重力は、重さと同じだけの抗重力の働きがあって、いつもそれを利用しているのです。
氣が付かないときも。立つためにも、座るためにも、そこに存在している時、支えを利用してはいるのです。
実際に動かしたいものが動くためには、反作用があり、動きを支えるもの、押し返すもの、そのちょうどよい自由度を求めているといえそうです。
小さな手ごたえを、自分全体の動きの中で起こし、支え、キャッチしています。
どんな支えがある?使える?

動きは支えるものとの関係性の変化の中にあります。
安定は動きの中にもあります。
やりたいことのために、自分全体でいつでも動きだせることが、支えとともに必要なんですね。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。