親指の使い方のヒント4 動きの方向性 意図と感触
演奏するときの指先について。複雑な動きの中で、固さや力みを減らしたいと思っています。
自分全体の使い方を思い出し、練習していきます。
そこで、わたし自身のレッスンで、頂いたアイディアは親指についてのことでした。
親指に、指先へ向かって伸びていく方向性の意図を持ってみる。
そこで、わたしなりのアップデートができました。
プランは最後に。
・親指は、どの他の指とも向かい合わせる様に働く動きがあります
・指には受動的な可動性があります
・全体でつながりをもって一緒に働きます
観察していくと、動きに頼りなさがある時、力が必要だと思う時、
むしろ親指が少し外れたり、関係がとぎれていることに氣がつきました
おや?力まないようにと、ゆるくしてたのは思い当たります
親指も、指先に向かって伸びていけるような方向性について考えながら、
他の指と一緒に動いていていくことができるように、観察していると、
双方に指との関係性が改善できる場面がたくさんあるのを実感しました。
相対する指と、もっともっと一緒にバランスできる
弾きやすくなった~あらためて大事だなと再発見。
では、右手の親指はどうかしらこれも観察してみよう。
指先に向かって伸びていける方向性を助けるのは、自分全体のつながりですが、
そのために様々な感覚情報が働いています。
体の機能は、骨や筋肉とそれらを包みつなげる有機的なネットワークによって、
たくさんの感覚情報を精密にやり取りしています。
身体には皮膚から深部までのあいだに層になって働いているファシアについて学ぶ機会があり、
様々な構造が精密にネットワークすることで、全身つながって働いているのだなぁと感嘆します。
触覚の受容器には、図のような、範囲や深さのについて感度の異なるセンサーもあって、
刺激と変化の情報を繊細にキャッチできているのですね。
楽器を演奏するときは特に、指先の動きの繊細さには、このような感覚が関わっているでしょう。
画像参照
触角の4つの機械受容器
「カンデル神経科学」より
「指先には脳の支店があるんですよ」という、ヴィヴィアン先生がカザルス氏から言われたというお話を思い出します。
必要な意図のためにいつも「親指も一緒に動く」と考え、
自分全体のつながりの中で、指先に向かって伸びていくように働いたらどうかしら?
指板をはさんで向き合う指が、どの指もいつももっと仲良くなる。
重音では?
あるいは指板に上がる時、ハイポジションではどうかな?
そうすると、双方の動きをより意識しているようになりました。
動きの意図はその時々で様々なので、考えるときもっといろんな意味も含んでいます。
全部一緒に1つずつ順番に。
動きの中で考える。
意図、その意味をみつけていきます。
出したい音を思い(音楽の意図)
頭が動けて、そうすることで自分全体が一緒に動くことができて
指先へ向かって伸びていくように動くことができて(方向性の意図)
弾きたいところに行くことができて
弦に触れて押していくとき
親指も一緒に動くことで
演奏する指の自由さを補い合うことができる
みなさまの観察のヒントになりますように。
以下よろしければ「親指の使い方のヒント」過去記事をご参照ください。
親指の使い方のヒント1
親指の使い方のヒント2 ~手首
親指の使い方のヒント3(左手のポジション移動)
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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