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カテゴリ:レッスンメモ

親指の使い方のヒント4 動きの方向性 意図と感触

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演奏するときの指先について。
複雑な動きの中で、固さや力みを減らしたいと思っています。
自分全体の使い方を思い出し、練習していきます。

そこで、わたし自身のレッスンで、頂いたアイディアは親指についてのことでした。

親指に、指先へ向かって伸びていく方向性の意図を持ってみる

そこで、わたしなりのアップデートができました。
プランは最後に。




・親指は、どの他の指とも向かい合わせる様に働く動きがあります
・指には受動的な可動性があります
・全体でつながりをもって一緒に働きます



観察していくと、動きに頼りなさがある時、力が必要だと思う時、
むしろ親指が少し外れたり、関係がとぎれていることに氣がつきました
おや?力まないようにと、ゆるくしてたのは思い当たります

親指も、指先に向かって伸びていけるような方向性について考えながら、
他の指と一緒に動いていていくことができるように、観察していると、
双方に指との関係性が改善できる場面がたくさんあるのを実感しました。

相対する指と、もっともっと一緒にバランスできる
弾きやすくなった~あらためて大事だなと再発見。
では、右手の親指はどうかしらこれも観察してみよう。



指先に向かって伸びていける方向性を助けるのは、自分全体のつながりですが、
そのために様々な感覚情報が働いています。 
体の機能は、骨や筋肉とそれらを包みつなげる有機的なネットワークによって、
たくさんの感覚情報を精密にやり取りしています。

身体には皮膚から深部までのあいだに層になって働いているファシアについて学ぶ機会があり、
様々な構造が精密にネットワークすることで、全身つながって働いているのだなぁと感嘆します。


触覚の受容器には、図のような、範囲や深さのについて感度の異なるセンサーもあって、
刺激と変化の情報を繊細にキャッチできているのですね。

楽器を演奏するときは特に、指先の動きの繊細さには、このような感覚が関わっているでしょう。

IMG_20210906_132806
画像参照
触角の4つの機械受容器
「カンデル神経科学」より










「指先には脳の支店があるんですよ」という、ヴィヴィアン先生がカザルス氏から言われたというお話を思い出します。


必要な意図のためにいつも「親指も一緒に動く」と考え、
自分全体のつながりの中で、指先に向かって伸びていくように働いたらどうかしら?

指板をはさんで向き合う指が、どの指もいつももっと仲良くなる。
重音では?
あるいは指板に上がる時、ハイポジションではどうかな?
そうすると、双方の動きをより意識しているようになりました。


動きの意図はその時々で様々なので、考えるときもっといろんな意味も含んでいます。
全部一緒に1つずつ順番に。
動きの中で考える。
意図、その意味をみつけていきます。


出したい音を思い(音楽の意図)
頭が動けて、そうすることで自分全体が一緒に動くことができて
指先へ向かって伸びていくように動くことができて(方向性の意図)
弾きたいところに行くことができて
弦に触れて押していくとき
親指も一緒に動くことで
演奏する指の自由さを補い合うことができる

みなさまの観察のヒントになりますように。
以下よろしければ「親指の使い方のヒント」過去記事をご参照ください。
親指の使い方のヒント1
親指の使い方のヒント2 ~手首
親指の使い方のヒント3(左手のポジション移動)


最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。



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動きはじめについて、意識してみましょう。

さあ、やりましょう。というときに、動く前の静かな時間はありますか?

必要なことが起きるために、いろんなことを静かにしてみましょう。
頭の中の考え、
手や脚はどんな様子でしょうか?


考えや動きを静かにして、
ではこれからこれをやろうと、
選んで、
それをやると決めて、
そして動いてみます。


そのようにやってみて、
やり直す前にすこし時間をとってみましょう。

気付いたことはありますか?
何か違う選択がありそうでしょうか?


少し静かにして、
また選択肢があることを思いながら、
また一度選んで、
あらためて決めて、
そしてやってみましょう。


おすすめは、どうなるかやってみよう。という実験です。
どうなっても大丈夫です。
こうしようと思って、こうなった、という体験です。

もっと違うようにやりたい思いが見つかると思います。
1回目と、決めなおした2回目は、どんな違いを見つけられるでしょうか。

その違いは、考えたことによって明確になったでしょうか。

小さな変化の選択は、やる・やらない、の小さな決定の練習になります。
やる前に、決めなおす。


ちょっとしたことで練習します。

信号待ち。
渡る?渡らない?待つ?行く?
何時でも行けるように待っていて、
行くと決めていく。
そんな感じ。

バスや電車を降りる時、いつ席を立ってドアに向かうか、
周りの状況、車両が止まってドアの開くまでのタイミング、
何時でも行けるけれど、立つタイミングを待ってみる。

電車に乗る時、列に並んでいて、
降りる人を十分に待てて、周りの人とうまく折り合いをつけて、
いつでも進めそうにしている。

そんなことをゲームみたいに観察すると、
結構忙しく動き出したくなるのに気が付きます。
じれったく指先が動き出しているかもしれません。
脚が前に、出たがっているかもしれません。
一呼吸おいて、立ち上がる。
もう少し、待ってみる。
動き出したくなる身体のどこかがあるかしら。

周りの動きに反応して一緒に動いてしまうこともありますね。
この辺がなかなか興味深いところです。


この空間で、周りの状況が見えていて、
いま、静かな時間を持つこともできる。
いつでも動き出せそうにしている。

頭のてっぺんから指先・足先まで、
自分全体を思い出して、
自分の選択肢があることを知りつつ、
意識的に動き出してみよう。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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レッスン時の一場面から思うこと。


「疲れた~」と言うことがありますか?
普通に使っているでしょうか。


これを連発する人がいる場面で、思うことがあります。
何がその言葉を言わせるのでしょうか?

わたしは疲れを感じなくなってきたので、この言葉がもうほとんどいらないと思うほどです。
それは「疲れた」という意味の内容が変わったのでしょう。


だいぶ以前書いたことがありましたが、3時間近いミュージカルの公演での演奏を終え、楽屋へ引き上げる足取りで氣が付いたのです。
むしろ心地よく整って、元気になっているように思えました。
弾いているときだけではなく、弾いていないときの過ごし方が関係していると思います。

わたしは可能ならピアノ椅子で演奏しますが、背もたれのない箱型椅子が好きで、座面のクッションがしっかりしていて、ギシギシしないからです。
楽器を弾かない時、楽器を身体から離すことも多いですが、すぐに弾けそうな身体でいた方が、ずっと楽なのです。
弾かない態勢にしたら楽だとしたら、弾いている態勢に無理があるということもあるかもしれません。
弾きながら休める、弾いていないときに動ける、この両方を丁度よく行ったり来たりしたいです。


楽器を構えるということでは、自分が楽に動き出せそうに座っている、そこへ楽器を持っていきたいです。
ああそうか、と思えるとだんだん工夫ができます。
「疲れるやり方をしていたな」とわかってくるのです。


アレクサンダー・テクニークを学ぶ中で、気が付くことが増えていきますが、それは、今自分が何をしているのか?についてです。
始めのうちは「なんのこっちゃ?」「どういうこと?」でゆっさゆっさ揺さぶられる感じです(笑)

先生はとてもていねいに、その時の自分と向き合うように寄り添っているのですが、そうすることで「こうである」と思っている「正しさ」「限定」を「今やりたいことについて」「大切さ」の方へ向かわせてくれます。
こう書いても微妙すぎてわかりにくいですね。


例えば、車のアイドリングストップというのをどう思いますか?
エネルギーと環境への影響という問題なのか、効率・経済という側面なのかなどいろいろ論点はあるところでしょう。
信号停止でエンジンが止まり、発進時にエンジンをかけなおすひと手間において、発進を意識的にするという安全性は高いと思います。
動き出すために、発進する瞬間に備えているのはもちろんですし、車の機能も敏速で少ない時間で再起動します。


さて、楽器にまつわる「構え」とか「姿勢」というところにそれぞれの考えがあるわけです。
楽器をもって、あるいは脇において「弾かないでいる」ときに何をしているか、何に備えているのか、これも演奏にまつわるシーンといえるでしょう。
楽譜にメモを取ったり、お話したり、静かに聴いていたり。

そこで、「疲れた~」という言葉を聞くときに、「あらあら、たいへん」と思ってしまいます。
ご本人は休みたいと思うような大変なことをしていたと、言っているわけです。
それがどんな様子の時かというと、だいたい椅子に崩れ落ちたようになっています。

そこからまた起き上がって、やる気になるのは大変だろうなと、こちらも思います。
気持ちだけでなく身体も、立て直すのは結構エネルギーがいるんですよね。
アドバイスとしては、その都度、今どんな風になっているかに氣づいてくことです。
今そこからどんな風にしていけるか、思い出し、考えてみるのです。



ある小学生の生徒さんとレッスン後に、振り返りノートを書く時間を持っています。
鉛筆をもって、今日何に取り組んだか思い出してもらいます。

以前からノートに崩れ落ちるようになっていたので、背中にそっと手を当てると、
「あ、姿勢よくしなくちゃ」と思うみたいで起き上がってきますが、
「そうね、思い出してね」「その方が様子がいいわね」なんてたびたび言ってみます。
先日、触れなくても思い出してやってくれてました。

ほっとするひと時にも、自分の在り方を思い出すことができたら。
その様子は、見ていて美しいなあと思わせてくれる瞬間なのでした、

帰り道、足取りが軽やかだったら、ちょっと嬉しい。



最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。


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レッスンで、時々「息してますか~」と聞くことがあります

「ん?」「あ!」
呼吸を時々思い出してみましょう。
「止めてた
浅くなっていることもありますね。

呼吸は忘れていても起きていることですが、呼吸に気が付くときはどんな時でしょう?
おかれた状況によって感情や運動と密接な関係があることは様々体験していることです。
意識的に呼吸を観察していくことで、影響を与えることも可能です。
音楽の表現は、呼吸の様子に密接ですね。


呼吸の動きに興味を持てたら、頭から自分全体も思い出してね~
頭が脊椎の上でふんわりと動けるようにと思う、そうすることで自分全体が付いていくことができます
協調した全体の動きのために、意識的に働きかけることもできる。
演奏(やりたいこと)のために、動き出す前に、動き始めに、動きの変わり目に、動きの終わりに、ちょっと意識を向けてみる。
呼吸があるね~と思い出すのと一緒に。

深呼吸やストレッチをしつつ、観察してみましょう。
腕を伸ばしたら胴体にも動きがあります。脚を伸ばすときもですね。
胴体も、つながって全体で伸びていくことができる~と思ってみるとどうでしょう。

興味をもって、ゆっくりじんわりと響く様子を観察しつつ、腕や脚のどんな動きを促しているのか考えてみましょう。
実際の可動性について知ると動きやすさが違います。
身体が硬いと思う人は、動きを止めているところがあるかもしれません。


腕や脚は胴体を動かし、末端の手や足は、いつも頭と脊椎・胴体を含めた全身と一緒に働いていますね!
肺の中のに入る空気の容積の変化で腹腔の内臓も動きます。

身体を動かし支えている組織は全体につながりを持っていて、動きも伝わっていることを思ってみましょう~~~


ちょっと意識を向けてみよう。
呼吸のしやすさは、動きやすさ、心地よさ。
演奏の動き出す前、動き始め、動きの変わり目、動きの終わり。
手を使うときも足を動かすときも、自分全体を思い出して~



参考図書 入門編におすすめ「音楽家ならだれでも知っておきたいからだのこと」





武道に限らず達人は、静と動、呼吸のパワーを全身で効率よく発揮できる・・・
相手の変化を呼吸からも見切ることは奥義らしい・・・
チェスの神童から太極拳推手の名手になっていった道のり、興味深く読んだのを思い出したのでご紹介。
「習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法」
だいぶマニアック(笑)
 


最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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「音がはっきりしない」ときの考察

出来ない、うまくいかないという思いから、
「どのように問題を解決したらいいの?」
レッスンで生徒さんの素朴な疑問がありました。

そのお知らせは、
もっと違うようにやりたい。
「はっきり聞こえるようにしたい」というと望みとしてとらえる時に、
できることは何かしら?そのように考えることができます。


どんなことに、気が付いていますか?と質問するとき、
「・・・がダメ、・・・がちゃんと出来ていない」
「問題」、トラブルという意味にとってしまいがちなのでした。

起きていることに氣が付いたら、
あらたな課題、さまざまな疑問が持てますね。

???と思うことを言語化してみる。


プロセスを観察しましょう。

指は何をしていますか?
弓は何をしていますか?
そこで止まることはできますか?


注意の向け方を新しく。
動き出す前に、いつ・何が・どこへ・どのように、などの具体的な意図を持つことができる。


やりたいことをやるために、
頭がふんわりと動けて、そうすることで自分全体がその動きについていくことができる。
そうすることで、その空間の広がりの中で、見たいものを見ることができ、
触れたいものの、触れたいところに触れることができる。

いつでも動きを起こせそうにしながら、とどまることができる。
あらためて動くと決めて動くことができる。
動かしたいものを動かすために、必要なだけの力を使うことができる。


弓の動きと指の動きは1つづつ関連付けることができ、
指が動くときに、発音や残る響きの意図があり、
弓が動くとき、指の動きをキャッチしている。
そこには多様な関係性があり、今1つ意図できる、意識の積み重ね何だなぁ...と思うのです。


建設的なプランを1つ1つ言語化しましょう。
当たり前のような、でも、今自分にとって欠かせない大切なことは何でしょうか?
やりたいことのために、意識できる、実行できることを1つづつ。

「~できない」を「~したい」にする
できない感じ


最後までお読みいただきどうもありがとうございました。

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ハイポジション、または親指を弦の上に持っていくときの考察

もっと楽にできないかしら?と思う方に、試してみてほしいこと。

親指をどんなふうに持っていくでしょう?
上がろうとするときに、親指を観察してみましょう。


親指の指先のネックに添えている接触の感触
指先の上がっていくときの通り道と感触
指の弦の上で触れているところの感触
指が押していくときの弦の弾力の感触

手と腕は指先の動きのリードについていきます。

触れ続けて、目的地へ行きます。

ポジションの関係性もガイドになります。
例題
A線5ポジションで、1指がFの時、
親指を移動させてEの上に触れます。
その時上記のポイントを観察します。

👍12/EFGと弾いてみます。
追記:Eはフラジオがなるところです。フラジオからそっと押して実音に変えていきましょう。

親指をネックから離してから、音の上に置くのと、
ネックに触れ通り道の感触を優しく受け取りながら、途中の動きを意識的にやってみるのと、
親指を離しているとき、持ち上げて、押し付けているやり方では、
そのあとの力加減のかなり違うことに氣が付きました。

始まりは、動く前からの意識です。
意識的に、自分全体の動きを思い、
実際に必要な動きに注意を向けてみることで、協調した動きのつながりの中で行うことができます。

先ずはゆっくりと動かしてみて、効率よく、労力が減ることを見つけられたら、
必要なフレーズの中で思い出しながらやってみましょう。
心地よい変化があったらうれしいですね!


最後までお読みいただきありがとうございました。

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感染症の対応で安全に留意しながら、対面レッスンをしています。
9月からは、新規の生徒さん2名も加わりました。
まだ長期のお休みの方もいらっしゃいますが、多くの方が再開されました。

出会えたこと、そしてまた元気でお会いできる1回1回がとても嬉しくありがたいことです。。

「調子はいかがですか?」
はじめにそんな風にお尋ねしたりします。
体調とも、チェロのこととも取れると思うのですが、答えはいろいろです。


「フフフ」「まぁまぁです」と照れ笑いされたり。
ちょっと和んであいさつ代わりのよう。

「今週は練習できなかったです~」という報告。
それは心配ありません、今日の課題を見つけましょう。


どんなことに取り組んだか、発見をお話してくださったり、
疑問が見つかったことを教えてくださったりします。

気を付けたいのは、もし痛みが出たとき。
やり方を改めて注意して見てみる必要があるからです。

興味深いのは、よく「疲れる」というのは小学生で、言わない日は無いくらい(笑)
中学生は少し大人になって、あまり弱音を言うことはないのですが、学校行事が大変忙しい様子もうかがえます
柔らかい心と身体、よく注意して見守る必要があります。

そして生活の中で、普段の様々なことを忘れて没頭できる時間は、大事だと実感しています。
毎回新たなチャレンジに向かう時間ととらえることもできるし、
ある人には毎週の1度の部活のような、楽しみの時間でもいいと思います。


「今日、やってみたいことはありますか?」
「どこをやりたいですか?」

「何か課題は何か見つかりましたか?」
「ではどこからやりましょうか?」

レッスンはそんな風に大体始まります。


ちゃんとやりたい
正しくやりたい

このような言葉が思わず出たら、すかさず捕まえます(笑)覚悟してね(笑)
隠れた望みを掘り出しましょう。
そこで大切にしたいのはなんだろう?

何を考えている?
今何が起きているだろう?
何か変えられることはあるだろうか?
今何を選んでいけるだろう?


疑問や課題があるって、素敵なことです。
その1つ1つが発見で、宝物の種になりますね


最後までお読みいただきありがとうございました。

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親指が痛くなってしまうとき。
痛いのは仕方ないと思っているでしょうか。


痛みと一緒に起きていることで、
なにか思い当たることはあるかしら?


「しっかり持ちたい」
「しっかり押さえたい」

「ちゃんと~する」という意識が入っていて、
あるいは、必要だと思って繰り返し一生懸命にやっていることで、
必要以上の動きをしようとしていることがあります。

「よくない」
「できていない」

そんな風に思うとしたら、そのお知らせを受け取って、
やりたいことについて、再認識するようにやってみます。
動きはじめが肝心

動きのプロセス(やりたいことのために、必要なことと、そのやり方)を、見ていきます。
優しいやり方を見つけましょう。


①その時の使い方、手の構造、身体のつながって働く様子に興味をもってみるとどうでしょう?

親指に氣付きながら、意識の場を広げます。

親指の使い方のヒント3(左手のポジション移動)
親指の使い方のヒント2 ~手首
指の動きのために


②必要なタイミング、手順についてどんなことに氣が付いているでしょう?

ゆっくり観察していくと必要な注意を向けられることでも、変化が起きます
動きの固定または急なブレーキや、急なアクセルは、機能に負担をかけているかもしれませんね。
タイミングは、いつそれについて考えることができる?という氣づきと意図の選択。

フィンガリングと力みについての考察~動きにくさと、せっかちさ


③自分全体が協調していくことで、意識的な丁寧なステップをたどっていくことができます

前後の関係性、前の動きの終わるところと、動き初めに特に注意しましょう。
その時、呼吸に気付き、頭から自分全体の動きがあることを思い出します。
観察し、そこからつながる意図を繊細に選び直し、そこからまたやってみましょう。

力の加減と、繊細さ



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最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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「部分だけ直そうと考えてしまうことは、実際のうまくいかない理由になっている」
という氣づきがあれば、必要な順番でやっていく、その手順について考えられます。

うまくいかない(痛い)と思っているときにやっていることによって、
うまくいかないところが近づくと何となく心配になりますが、
「そこがうまくいかない」と考えるより、
「そこに向う必要なこと1つ1つが大切」と思えたらどうでしょう?

道具をどのように扱うのか、
何をするために、まず何のどこが、どこからどこへ行くか(シンプルでしょ)
動く前に考えてみます。
弾きたい音を奏でるために、弓先の毛が弦の弾きたいところに行くことを具体的に思います。
(ここがここへを目視)
動く軌道、必要な距離はどれくらいか考えてみます。

腕を持ち上げるのではなくて、弓を運ぶどんな動きができるか検証するとき、
肘の回内の動きを見直すと、目からうろこかもしれません。
肘の手を回すしくみ



それを視野に入れつつ、自分の全体を思い出してみます。
手や腕は、自分全部と一緒に働いてくれるからです。

頭がフンワリと動けること、自分全体が動けて、呼吸が楽で、
そうすることで、弓の弾きたいところが弦の弾きたいところに行き、
弓を持つ手と腕がその動きについていく。

痛くなる動きは無意識に起こっていますから、
新しい動きをやろうと思うときに、前のようにやりたくなったら、
ん?!とその違いに気が付くと思います。


無意識にやろうとしていた感じを、考えた意識的で具体的な動きにしてみましょう。
違和感があり、楽になり
混乱しつつ、痛くないかも。
楽なとき、いい音がする

感覚は毎回新しくなるので、感覚を再現しようと思うより、
こうやってみようという実験の1回1回としてやっていきましょう。

*******************

生活の中でも人それぞれやり方がありますね。
雑巾を絞るのが苦手な人は、手で絞ろうとしています。
手前から遠くへ腕を伸ばすのを何度か繰り返せば、回内の仕組みとあわせてしっかり絞れるのですよ
でも、興味のない人にとっては、別にどうでもいいことみたいです(笑)


最後までお読みいただきありがとうございました。


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今とても多くの方が、演奏のプレゼントのほかに、日々の練習や課題をSNSで投稿してくださっていますね。
ある素敵な若手プロ奏者さんの自宅練習で、ハイポジションへ移動をしながら「舌と喉の緊張について考えている」というものを見ました。

わたし自身、難しいと思う曲を一生懸命取り組んだ時に起きた顎の痛みから、のちの舌の力みに至るまで長いこと取り組んでいましたので興味深く思いました。

練習していた曲を通して顎関節にひどい痛みが出たこと、それが無くなっていく間には、レッスンも受けていろいろな実験と発見がありました。

歯の食いしばりによるこわばりは、そのあと舌の奥の緊張になっていたのか、状態の繊細な変化を見ています。
それに伴って起きていること、やっていることが何だろうか?とみていくのです。
痛みが力みを教えてくれるのですが、それをやろうとするのがどんな時か、調べてみます。

興味をもって違いを観察する。
小さな違いにも興味を向けられるようになっていくと、だんだんと氣が付きやすくなります。
それは自分を痛めつけない、やさしいやり方になります。

いいと思ってやっていたことが自分でとてもなじんでいたら、それを止めることはちょっと苦労することです。
慣れていない、新しい違うやり方には違和感があるのは当然です。

やっていることを観察するときに、やっている感じが邪魔をすることがあります。
なんとなく慣れているやり方の感じです。
一生懸命弾き続けて、やっている間にだんだん悪くなるなら・・・立ち止まり、それについての考えを調べてみる必要があるでしょう。


ちょっと間を取って、やり方を観察することが大切です。
この間がとりにくかったりしますが、どんなお知らせが来ている?と思ってみます。

観察力が高まると、些細なことにもヒントが見つかったり、それがとても大きな変化のきっかけとなるのが面白いところです。

こうすればうまくいくという再現性を高めるためには、実際に考えたいことを動きのプランとして言葉にしていきましょう。
やりたい表現で、音を大きく小さくのような形容詞を思ったら、そのための実際の動きを考えます。
大きくするために、何を変えられる?どんな動きができる?
明確に信頼できるプランで更新されるとき、とてもシンプルなことの積みかさねになっていくでしょう。

課題を持って取り組むことの意味を、いつもとはちょっと視点を変えてみるのもおすすめです。
どんな言葉で、それについて動きの指示が出せる?

ヒントは書き留めるのがおすすめです。
いいと思ったことって、忘れてしまって何だっけ?さっきできたのに?となることありませんか?
感覚はどんどん新しく来るものです。

やったことについての考えを問うのは再現性のために役立つからです。
変化を説明できたら、そのことについて整理でき、理解が進むと思います。
大切なのは、意識的な考え方の変化です。

やりたいことのために、必要な動きを止めてしまっていると、動きの渋滞が起きます。
違うところで頑張っていることになると、窮屈になっていき、負担がかかります。
ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいるようですね。
これが私の口やのど、指に起きていること、自分全体のつながりを止めていた様子の表れでした。

ブレーキをかけているのが、どのタイミングで、
どの場面で、何をしようとしていて、といった情報に注意して、
どれくらいの力でやれるか?考えてみる。


指を使うときの、腕と胴体のつながりは、
頭と脊椎の動きがその鍵となります。
頭と首~骨盤のつながり、頭~足までのつながり、それらがみんな関係があります。

ハイポジションに指が上がるときの腕の動きは、肩甲骨やひじの動きと密接に関係しています。
重音をしっかり弾きたいとき、強く押さえようとしていました。
その時腕を引き込んでしまうことにも、現れていたのでした。

筋肉の収縮を起こすとともに必要以上の緊張となって、力を使うときに固めてしまうことが動きにくさと痛みにつながります。

そのつながりでやっていることが、胴体でやっていることだったのです。
腕を引き込むときに、のど、胸、お腹でやっていることがありました。


レッスンに行って指導を受けた時、すぐにそれは「できない」という反応があるときに、
「練習した今までやっていることと、違うこともやってみよう」と考えて、
やり方を思い直すことで違う体験ができるわけです。
「そうか、それは新しいな」「面白いな」と思えたら新しい回路が開きます。

「力を入れる」「力を抜く」ということが、どういうことかいろいろ考えさせられる。
実際大変に感じられたり、わからないから困っているわけですが、
「やっている必要のないことを止められる」ということになります。
「必要なことをやる」のは、必要力なだけの力でということでもあります。

多くの場合、力が必要だと思っている力は「やっている感じ」によっています。
うまくやりたいけれど、うまくいかないときに、頼りにしているのが、「やっている感じ」です。
以前はもちろんそれでも良かったのですよ。
今はより繊細な変化を得たいと思っているからこその探求ですね。

うまくできたとき、『あれ?!軽い』と感じるかもしれません。
頼りない感じや『やっている感じがしないけれど、いい』
違和感があるのにスムーズになる。
やり方・動きについての考えが変われば、感覚も変わります。
感覚はどんどん更新されることをお忘れなく。


ここで1つ、新しいかもしれない「考え」を。
支えは上向きにあります。

またまた、以前言われてすごく印象に残っている言葉がありまして。
「上向きに弾く」「ビブラートは上にかける」
間違っている、と思いますか?
こうあるべき、という正しさや、定義を保留してみましょう。
引っかかった、この言葉からくる違和感は何でしょう?

これは、下の方向に行こうと考えているかもしれない、という氣づきになりました。
圧をかけるために、接触を得るために、やっていることがありますね。

動くために必要な支えは、下から上に向かってきているということがピンとくると、解決します。
重力は、重さと同じだけの抗重力の働きがあって、いつもそれを利用しているのです。
氣が付かないときも。立つためにも、座るためにも、そこに存在している時、支えを利用してはいるのです。
実際に動かしたいものが動くためには、反作用があり、動きを支えるもの、押し返すもの、そのちょうどよい自由度を求めているといえそうです。
小さな手ごたえを、自分全体の動きの中で起こし、支え、キャッチしています。
どんな支えがある?使える?

動きは支えるものとの関係性の変化の中にあります。
安定は動きの中にもあります。
やりたいことのために、自分全体でいつでも動きだせることが、支えとともに必要なんですね。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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